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2013年12月12日(木)

産業競争力会議 「残業代ゼロ」合法化

賃金と労働時間を分離

分科会提言案

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 政府の産業競争力会議の分科会(主査・長谷川閑史経済同友会代表幹事)は10日、賃金と労働時間を切り離した雇用制度の創設を求める提言案をまとめました。これは、「残業代ゼロ」を合法化するとともに、いまでも長時間労働を強いられている労働者を無法状態におくものです。

 提言案は、「労使合意の下で」との条件を付けつつ「労働時間と賃金を完全に切り離した雇用契約を結ぶオプション(選択肢)を個人と企業に与える制度」を「創設すべきである」としました。

 新制度は、提言案が「日本型新裁量労働制」と呼ぶもの。当面は、年収1000万円を超える専門職で先行的な導入を提言しました。

 今年度中に国家戦略特区や企業実証特例制度などを活用して先行導入し、2014年秋をめどに「法改定」を行うよう要求しています。

 また、労働政策の基本方針策定のため「労使の利害調整」を超えた首相主導の仕組みを検討することも求めました。

解説

長時間ただ働きを助長

 「日本型新裁量労働制」は、労働時間と賃金を完全に切り離し、定額で無限に何時間でも働かせることを可能にするものです。年収1000万円を超える専門職を対象としていますが、あくまで「当面」であり、際限なく全労働者へひろがる危険があります。

 「労使合意」に委ねるとしていることも重大です。労使の協議が整えば何でも許されるということに道を開いてはなりません。

 分科会は厚生労働省とも調整した上で、年内にまとめる中間報告に盛り込むことを検討しています。こうした労働時間規制の適用除外制度の導入は、財界がたびたび要求してきましたが、国民の強い反対で断念させてきました。長時間ただ働き労働を助長する制度の導入を許してはなりません。(柳沢哲哉)


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