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2013年12月11日(水)

きょうの潮流

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 愛知の伊勢湾と三河湾を隔てる形で伸びる知多半島。中心部に位置する半田市は運河のある港町として、江戸の昔から栄えました。自然も豊かで、四季折々に日本の里の風景が残ります▼秋には、矢勝(やかち)川の堤に無数に咲き乱れる彼岸花。ここは、童話作家の新美(にいみ)南吉がよく散策した場所です。今も読まれ継がれる「ごんぎつね」をはじめ、数多くの作品を生み出した地は今年、南吉生誕100周年でにぎわいました▼日本が破滅への道を突き進んだ戦前に多感な青春時代をすごした作家が、何を表現し、どう生きようとしたのか。記念行事が連なるなか、72年前に日本が太平洋戦争を始めた8日、半田市民ら有志が「南吉と平和」の集いを開きました▼学生運動の指導者と親交を結び、プロレタリア文学からも影響を受けた若き南吉は、反戦童話ともいうべき、「ひろったラッパ」を書きました。立派なラッパ手になって手柄を立てようとしていた主人公が、戦禍にあった人びとに接し、戦争の悲惨さを知る話です▼時代の大波に揺られながら、社会をみつめ、心のふれあいを描いてきました。ある児童文学者は「庶民の立場での反戦平和の思想こそ、南吉の本来だったと思う」と▼集いを主催した半田空襲と戦争を記録する会の代表、佐藤明夫さんは「あの12・8をくり返さないためにも、そこに至るまでになすべきことは何か。それを彼から学び継承したい」。日本を、暗黒の時代に逆戻りさせないたたかいがつづくなか、現在に生きる南吉です。


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