「しんぶん赤旗」
日本共産党
メール

申し込み記者募集・見学会主張とコラム電話相談キーワードPRグッズ
日本共産党しんぶん赤旗前頁に戻る

2013年12月10日(火)

自衛隊が“周到準備”

秘密保護法さいたま公聴会

このエントリーをはてなブックマークに追加 Yahoo!ブックマークに登録 mixiチェック

 自民、公明の安倍政権が強行可決で成立させた悪法、秘密保護法。法案作成から強行採決まで、前例のない「暴走」が繰り返されました。4日に与党がさいたま市で強行した地方公聴会を“主導”した自衛隊関係者の動きを追いました。(山本眞直)


写真

(写真)地方公聴会を強行した会場の清水園=4日、さいたま市大宮区

「御用達会場」■2公述人は元幹部

 「大宮に会場がとれた」。公聴会(4日)の前日午後8時すぎ秘密保護法案を審議する参院国家安全保障特別委員会の野党の福山哲郎筆頭理事(民主党)にかかった一本の電話。相手は自民党の佐藤正久筆頭理事(元陸自1佐)です。秘密保護法案地方公聴会の会場の通知でした。

 日本共産党の仁比聡平参院議員は4日の同特別委員会でこう批判しました。「与党は、強行を念入りに、周到に準備してきたのではないか」

 佐藤理事が指名した会場はさいたま市大宮区の結婚式場「清水園」。同園は自衛隊の「御用達」ともいえる集会場です。

頻繁に

 清水園の社長は大宮自衛隊婦人協力会会長です。同園では防衛協会など自衛隊協力団体の催しや記念行事が頻繁に行われています。

 公聴会は、5日の委員会での強行採決に「照準」を合わせて「周到に準備」されていました。自衛隊“主導”を露骨に示したのは与党の公述人選定です。推薦した2人とも自衛隊関係者でした。

 自民党推薦のさいたま市北区にある陸上自衛隊化学学校の川上幸則前校長(陸将補)と公明党推薦の陸自初のシステム防護隊の初代隊長で、現在はサイバーセキュリティ(情報管理)研究所所長の伊東寛元1等陸佐。伊東氏は日本の侵略戦争の反省を「自虐史観」と攻撃するテレビ「チャンネル桜」の常連コメンテーターです。

 公聴会を仕切った佐藤理事は、陸上自衛隊出身で、イラク先遣隊長・イラク復興業務支援隊初代隊長です。2004年1月19日、イラク・サマワに完全武装で「戦場」入りした当時、佐藤理事を現場で取材したテレビディレクターは、公聴会での“指揮官”ぶりをこう指摘しました。

 「米軍と海外で戦争する集団的自衛権行使の切り込み隊長を気取る佐藤氏が今回やったことは、夜陰に隠れての奇襲作戦のつもりだろうが茶番。軍事優先は時代遅れだ」

 福島公聴会では与野党推薦の公述人全員が反対と懸念を表明するなど、安倍政権は明らかに追い詰められていました。

危険性

 さいたま公聴会を傍聴した埼玉県平和委員会の平山武久さん(71)=入間市=は力を込めていいます。

 「参院での強行採決を合理化するためにも公聴会では、ぶれることなく賛成意見を語れる自衛隊の元幹部をなりふり構わずに登場させた。しかし元軍人が舞台回しをした公聴会のやり方は、この法案の危険性を改めて浮き彫りにした。国民主権の憲法と相いれない秘密保護法を廃止させるたたかいを広げたい」


見本紙 購読 ページの上にもどる
日本共産党 (c)日本共産党中央委員会 ご利用にあたって