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2013年12月8日(日)

秘密保護法強行成立

「あの時代」には戻させない

政治部長 藤田健

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 なにかを恐れるように、安倍内閣と自民・公明両党が暴挙に暴挙を重ね、秘密保護法を強行成立させました。

 法案提出からわずか1カ月余、衆参合わせて70時間にも満たない審議。首相はほとんど審議に顔をみせず、本来の所管閣僚である官房長官も野党が要求しても出席しないこともありました。権限のない担当閣僚のもと、答弁は迷走、法案は「修正」を重ね、採決直前に三つも四つもの「第三者的機関」なるものの名前が無責任に並べられました。政府部内につくるうえ、なんの法的担保もありません。そのこと自身が法案の欠陥ぶりを示しています。

 「何が秘密かは秘密」として、政府が勝手に秘密を指定、関係する公務員・民間人のプライバシーを根こそぎ丸裸にし、秘密を知ろうとする国民を広く重罰で処罰する―主権在民、基本的人権、平和主義という憲法の基本原則をことごとく覆す違憲立法です。

 太平洋戦争に突入した1941年に制定され、国民監視社会を完成させた国防保安法とうり二つの内容だと、同僚記者と2人で特集記事を書きました。反戦平和運動が弾圧され、自由な言論が封殺され、侵略戦争に国民が駆り出された「あの時代」に戻るのではないか―との不安の声も聞きます。

 しかし、「あの時代」とは決定的な違いがあります。

 なにより、日本国憲法があります。国防保安法は大日本帝国憲法の下で許されても、秘密保護法は憲法に反する違憲立法なのです。いくら数の暴力で「成立」させても違憲立法は存在を許されません。

 そして、この憲法のもとで平和と民主主義を希求する国民の世論とたたかいのエネルギーがあります。秘密保護法案に反対する声が短期間に、弁護士、ジャーナリストをはじめ、学者・研究者、演劇・映画などの文化人、宗教者、市民団体・NPOなど空前の規模に広がったことは、その生きた実例です。

 安倍首相は「PKO法のときも反対があったが、日本は世界に貢献している。あの反対論はなんだったのか」などとうそぶきましたが、憲法9条と平和を求める世論があったからこそ、自衛隊は1発の銃弾も撃たず、1人の戦死者も出していないのです。イラク派兵を担当した元内閣官房副長官補の柳沢協二氏も「今求められているのはこの憲法を持つことを誇りとし、そこに立ち返ることではないか」と発言しています。

 そして、「あの時代」には弾圧された日本共産党が、いまは安倍政治に真正面から対決しています。参院本会議では、法案の賛否で討論に立ったのは自民党(賛成)と共産党(反対)だけ。まさに「自共対決」でした。

 衆院段階で与党と「修正」合意した日本維新の会とみんなの党は完全な「翼賛勢力」ぶりを示しました。維新は内閣不信任決議案に反対し「与党宣言」。みんなも党内から「首相へのすりよりといわれても仕方ない」との声が出るほど。秘密保護法と一体の日本版NSC(国家安全保障会議)設置法に賛成した民主党は、採決直前にいったん退席するなど反対を貫けず右往左往しました。

 これらの党が参院では慎重審議で一致したのは、世論とたたかいの圧力と、反対を貫いた日本共産党の存在があったからです。

 「きょうをスタートに秘密保護法撤廃のたたかいに立ち上がろう」。深夜の日本共産党国会議員団総会であいさつした志位和夫委員長はこう呼びかけました。決して「あの時代」には戻させない―その決意を込めて。


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