2013年12月6日(金)
中国防空圏 「域内に重大な懸念」
米副大統領、習主席らと会談
【北京=小林拓也】4、5の両日に中国を訪問したバイデン米副大統領は、北京で習近平国家主席や李克強首相らと相次いで会談し、中国が東シナ海に設定した防空識別圏の問題などについて意見交換しました。
中国外務省によると、習主席は会談の中で防空識別圏の問題に関し、中国側の原則的な立場を繰り返し、「中国側の行為は国際法と国際慣例に適合している」と強調。「米側は客観的かつ公平な態度で尊重すべきだ」と求めました。
ロイター通信によると、バイデン氏は5日、北京で米企業関係者らに対する演説で「中国が最近、突然発表した新たな防空識別圏設定は、域内に重大な懸念を引き起こした」と指摘。4日の習主席との会談で「米側の断固とした立場と期待を率直に伝えた」と明らかにしました。その上で中国に対し、偶発的な衝突と誤解の危険性を減らす措置をとり、緊張をさらに高めかねない行動を控えるべきだと訴えました。
バイデン、習両氏の会談は夕食会を含め約5時間半に及びました。米メディアによると、米政府高官は会談後、「習氏はバイデン氏の防空圏に関する意見表明を受け止めた」と説明。バイデン氏は、日本と中国が危機管理メカニズムを構築する必要性を強調したといいます。
会談の内容は、朝鮮半島情勢やイラン核問題、シリア情勢など幅広い分野に及びました。習氏は「敏感な問題や食い違いを適切に処理し、中米関係の持続的で安定的な発展を確保すべきだ」と強調。バイデン氏は「中国と重大な国際問題について意思疎通と協力を強め、各種の挑戦に共に対応することを望んでいる」と応じました。