2013年12月5日(木)
憲法違反の「秘密保護法案」――最後まで反対の声ひろげ廃案に
緊急国会行動 志位委員長の訴え
日本共産党の志位和夫委員長は4日、衆院第2議員会館前での緊急国会行動「廃案へ! 国会を包囲する人間の鎖」で以下のように訴えました。
空前の反対の声の広がりを踏みつけにした強行は絶対に許せない
政府・与党は、明日、参議院の特別委員会、さらに参議院本会議で、「秘密保護法案」の採決を強行しようとしています。
しかし、どんな世論調査を見ても、この法案に反対する声は5割にも広がり、賛成の声は2〜3割にすぎません。そして、8割の国民が「慎重審議」を求めています。
各界、各層で空前の反対の声が起こっています。ノーベル賞を受賞した益川さん、白川さんをはじめとする「学者の会」の反対声明は、わずかの期間に2006人もの賛同者が広がっています。「映画人の会」の反対声明には、山田洋次さん、吉永小百合さんなど、264人もの賛同者が広がっています。
国民多数の声を踏みつけにした法案の強行は、絶対に許すわけにはいきません。(拍手)
国民主権に反する――「秘密」が際限なく広がり、「知る権利」がじゅうりんされる
わずかな国会審議をつうじても、審議すればするほど、法案の恐るべき中身が明らかになっています。
とくに、私は、この法案が、日本国憲法の基本原理にことごとく反する違憲立法であることが明らかになったことを強調したいのであります。
第一に、この法案は、国民主権の原理に真っ向から反します。
法案審議を通じても、「特定秘密」の指定には何の歯止めもなく、「秘密」が際限なく広がる危険があることが明白になりました。
国民主権とは、主権者である国民が、国政の基本問題についての情報を十分に知ることができ、判断できることが、不可欠の前提となります。国民の「知る権利」をじゅうりんしたこの法案が、憲法の根本原理である国民主権を踏みにじるものであることは、明らかではありませんか。(拍手)
基本的人権に反する――日本を暗黒社会にしては断じてならない
第二に、この法案は、基本的人権の原理に真っ向から反します。
国民から見ると何が秘密かも秘密です。
「秘密を漏らした人」「秘密を知ろうとした人」だけでなく、共謀した人、教唆――そそのかした人、扇動――あおった人も処罰の対象とされます。
「秘密保護法違反」で裁判となっても、「秘密」は開示されず、何によって裁かれるかもわからないまま重罪とされます。
「秘密」を扱う人には「適性評価」として、家族を含めてプライバシーが洗いざらい調査されます。
日本を、基本的人権がじゅうりんされる暗黒社会にしては、断じてなりません。(拍手)
平和主義に反する――「海外で戦争をする国」への道を許すな
第三に、この法案は、日本国憲法の平和主義の原則を踏みにじるものです。
なぜ「秘密保護法」か。政府は、「米軍と情報を共有するため」といいます。国民の目と耳と口をふさぎ、「海外で戦争をする国」をつくる。ここにこそこの法案の狙いがあります。それは憲法9条改定へと地続きでつながっています。
これまでも自民党政権は、「核持ち込みの密約」をはじめとする日米密約について、わが党が事実を突き付けても「知らぬ存ぜぬ」とウソで国民を欺き続けてきました。このことへの反省があるのかとただしても、反省の一言もありません。
ただでさえ異常な秘密主義で国民を欺いてきた政府に、その反省も抜きに、「秘密保護法案」を与えたらどうなるか。国民をウソで欺き、侵略戦争への道を突き進んだ暗い時代の再現を許してはなりません。(拍手)
日本国憲法の国民主権、基本的人権、平和主義を根底から覆す希代の悪法は、きっぱり廃案にすべきです。そのために最後まで力をつくす決意を申し上げて訴えとします。(拍手)