2013年12月3日(火)
きょうの潮流
総務省や各都道府県選管が、2012年分の政治資金収支報告書を先月末までに公表しました。毎年、これを見るたびに自民党などの“濡(ぬ)れ手で粟(あわ)”の巧妙ぶりと悪質さを実感します▼その最たるものが政治資金パーティーです。1回のパーティーで1億円余の収入を得る政治家も少なくありません。安倍晋三首相の資金管理団体「晋和会」も昨年、「政経セミナー」名目で3回開催、1億956万円を集めています▼自民党のパーティー形式による資金集めが本格化したのは1977年、当時の福田内閣時代に大阪で開いた会費5万円の催しが最初だと言われています▼この“錬金術”を現行の政治資金規正法は追認しています。1回のパーティーで買えるパーティー券(パー券)の上限額は、個人・団体ともに150万円。パー券の相場は1、2万円が一般的です。1人で何十枚も買ってどうするの、とツッコミたくなります▼自民党議員のパーティーを取材したことがありますが、せまい会場に添え物程度の料理…。これでパー券を何千枚も売っているのですから、ぼろもうけもいいところです。一方、収支報告書への記載義務は20万円以上としているため、誰がパー券を買ったかは、「小口分散」すればわからず、ほとんどが闇の中▼企業・団体献金、政党助成金などもそうですが、「政治とカネ」の病巣はひどくなるばかり。安倍政権は、希代の悪法「秘密保護法案」に血道を上げるヒマがあったら、やるべきことは山ほどあるはずです。