2013年12月2日(月)
人種差別 反対デモ
黒人系法相攻撃に抗議
パリ
全国80市超でも
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【パリ=浅田信幸】パリで11月30日、人種差別に反対するデモ行進があり、主催者によると2万5000人が参加しました。仏領ギアナ出身で黒人系のクリスチアーヌ・トビラ法相が最近、極右勢力やカトリック保守派から人種差別の言辞で攻撃を受けていることに、市民社会が抗議の意思を示しました。
デモ隊は「人種差別に反対して行進しよう。人種差別がわれわれを踏みつける前に」と書かれた横断幕などを持って、レピュブリック広場からバスチーユ広場まで2キロほど行進。「反人種差別・諸国民友好運動」(MRAP)のエティエ共同会長は「人種差別のガンに反対してわれわれは団結しているのだと、みんなで一緒に言うためのデモだ」と語りました。
トビラ氏をめぐっては、10月中旬、極右政党・国民戦線(FN)の地方幹部が出演したテレビ番組で「政府の中にいる彼女よりも、枝にぶらさがった木の中にいる彼女の方がいい」などと発言。11月初めには極右派の新聞が一面に法相の写真を載せて「猿」になぞらえました。
度重なる法相への人種差別に基づく攻撃は、米紙ワシントン・ポストや英紙オブザーバー、伊紙スタンパなど欧米の主要紙が相次いで「フランスは人種差別の国になったのか」と報道し、国際的に注目されています。
この日の行動は、人権団体や友好連帯組織、主要労組など100を超す団体が「人種差別反対、平等と友愛」を中心スローガンに呼び掛けました。全国80市以上でデモがありました。