2013年11月29日(金)
「秘密保護」いう権利ない
秘密体質いっそう拡大
日米密約隠した政府を批判 参院特別委で井上議員
日本共産党の井上哲士議員は28日、秘密保護法案を審議する参院国家安全保障特別委員会で、外務省が核兵器持ち込みの日米密約を国民に隠し続けてきたことを指摘し、「秘密保護法案で政府の秘密体質がいっそう拡大するだけだ」と批判しました。
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井上氏は、重要な秘密文書を同省の局長や課長が内規にもとづいて指定し、外相にも見せないまま秘密裏に管理してきた隠蔽(いんぺい)体質をあげ、その典型が核密約をめぐる藤山外相とマッカーサー駐日米大使による「討論記録」の文書だと指摘。日本共産党が同文書を2000年に米国立公文書館で発見し、国会でつきつけてただしても、歴代自民党政権の首相・外相が「存在しない」「調査しない」と答弁し続けてきたこと、民主党政権時の外務省内の調査でこの文書が発見され、政府は「両政府の間で作成された合意文書」と一転して認めたことなどの経緯を説明しました。
井上氏は「自民党政権時代にはないと繰り返し答弁してきた文書が存在した事実をどう認識するのか」と追及。岸田外相は「公表以前は『極秘』に指定されていた」ことを認めるものの、国民をあざむく答弁をしてきたことへの反省は示さず、「その当時の状況をどう判断するかは簡単ではない」などと言い訳に終始しました。井上氏は「国是を覆す密約を国民に隠し続け、反省もない自民党に『秘密保護』などという権利はない」と批判しました。
さらに井上氏は「(密約を話していい首相・外相かどうか)役人サイドが選別していた」との元外務事務次官の証言をあげ、少なくない首相・外相が何も知らないまま官僚の書いた虚偽答弁を繰り返してきたと指摘。今後も米公開文書から秘密文書が明らかになっても反省なく虚偽答弁と隠蔽を続けるのかと迫りました。
岸田外相は「できるかぎり国民に明らかにしていきたい」と述べたものの、外交文書の隠蔽を否定しない姿勢を示しました。
井上氏は、秘密保護法ができれば官僚が秘密の扱いを判断する今のやり方は温存されたうえに厳罰で国民に萎縮効果をも生むと述べ、「政府の秘密体質を拡大するだけの法案は廃案しかない」と強調しました。