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2013年11月28日(木)

主張

辺野古新基地建設

名護市長の意見踏まえてこそ

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 沖縄県宜野湾市の米軍普天間基地の「移転」と称して、安倍晋三政権が名護市辺野古(へのこ)に巨大な新基地を建設しようとしていることに対し、稲嶺進名護市長が市議会の議決を経て沖縄県の仲井真弘多(なかいまひろかず)知事に、公有水面埋め立てを許可しないよう意見書を提出しました。

 埋め立てが承認されれば新基地建設に向けた動きが本格化するだけに、安倍政権や自民党は、「県外移設」を主張してきた知事や自民党県連の態度を変えさせようと圧力を強めています。地元市長の意見書はきわめて重要であり、新基地建設に踏み出そうとする安倍政権の企ては許されません。

県民の総意にそう意見書

 仲井真知事は、安倍政権がことし3月提出した新基地建設のため辺野古沿岸部を埋め立てるという申請を承認するかどうか、来月以降判断するとのべてきました。知事に埋め立て申請を承認させるには、これまでの「県外移設」の方針を撤回させる必要があるというので、安倍政権や自民党の圧力は所属議員に「離党」をちらつかせて迫るなど異常で露骨です。

 沖縄県民は、沖縄の米軍基地を県内でたらいまわしし、県民に新たな苦しみを押し付ける新基地建設に、文字通り“島ぐるみ”で反対し続けてきました。知事に埋め立てを認めさせるための安倍政権の圧力は、政府の権力で県民の意思を踏みにじり、県民が認めない新基地を押し付ける、沖縄県民に対する侮辱そのものです。

 公有水面埋立法では埋め立ての許可権限は知事にありますが、市町村議会の議決を経た首長の意見書を求めることを知事に義務付けています。地方自治の原則に立って地元自治体の意向を重視するためであり、稲嶺市長が提出する意見書は知事の判断にとってきわめて重要です。本来地元自治体の意向を無視して知事が埋め立てを許可していいものではありません。

 名護市議会が先週、賛成多数で議決している市長の意見書は、普天間基地に配備された米海兵隊の新型輸送機オスプレイが名護市上空にも飛来し、生活環境や学習環境を破壊していることなどをあげ、新基地建設が「生活環境および自然環境の保全を図ることは不可能」とのべ、反対しています。

 国土の0・6%しかない沖縄に国内の米軍専用基地の74%が集中し、墜落事故や騒音、米兵犯罪などが県民を苦しめている沖縄にとって、「世界一危険」な普天間基地を辺野古など県内に移設しても、県民の安全は守られません。普天間基地に本格的に配備されたオスプレイが、県民をさらに苦しめるのは明白です。埋め立てや基地建設が海洋を破壊し、希少なジュゴンやウミガメなどの生育環境を脅かすことも重大です。県民を苦しめ、自然を破壊する新基地建設の企ては絶対に許されません。

政府は押し付けやめよ

 安倍政権が地元・名護市をはじめ沖縄県民の意向を踏まえるなら、仲井真知事らに「県内移設」の受け入れや埋め立ての承認を迫るのではなく、普天間基地の撤去とオスプレイの配備撤回に向けて本腰を入れて取り組むべきです。来年1月の名護市長選に向け、新基地推進で保守を一本化し、現市政の転覆をたくらむなど論外です。

 対米誓約のために住民の意向を踏みにじる安倍政権の態度は、あまりに売国的であり屈辱的です。


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