2013年11月26日(火)
「デモ規制法案」を承認
エジプト暫定大統領
人権団体など猛反発
【カイロ=小泉大介】エジプトのマンスール暫定大統領は24日、先に内閣が閣議決定していた「デモ規制法案」を承認しました。国民の反対を無視して平和的デモを規制する法律の制定が決まったことに対し、同国の人権団体や「革命」派組織は大きな怒りの声を上げています。
エジプトの19の人権団体は24日、共同声明を出し、「デモ規制法」について「あらゆる平和的な集会、デモを犯罪扱いするものであり、それを力ずくで解散させる権限を政府に与えるものである」と厳しく非難し、撤廃を求めました。
ムバラク政権を打倒した一昨年の「革命」で主導的役割を果たした青年組織「4月6日運動」の報道官は、「市民の表現の自由を奪う法律は警察国家への逆戻りを意味する」と批判し、抗議のデモを行う決意を表明。今年7月の軍によるモルシ前大統領解任を導いた国民的デモの中心となった青年組織「反抗」も、「デモによって権力についた大統領や政府がそれを妨害する法律をなぜ制定するのか」「暴力的デモには既存の法律で対処できる」と反発しました。
政府系紙アルアハラム(電子版)が伝えたところによると、新法はデモ主催者に主要な要求やスローガンも含めた開催要項を3日前までに警察へ届け出ることを義務付けています。さらに、デモが公共の治安に対する脅威となるという証拠・情報がある場合には内務省が中止や会場変更を命令できるとしています。
国民の批判を前に暫定政府のベブラウィ首相は24日、海外メディアに対し「法律はデモの権利を制限するものではなく、デモ参加者の権利を守ることを企図したものだ」などと弁明しました。