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2013年11月22日(金)

欧州では知る権利を拡大

ドイツ 報道の自由強化法

フランス 情報源の秘匿強化

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(写真)2005年に当局から家宅捜索を受けた独雑誌キケロの最新号の表紙

 欧州では政府の秘密保護に抗して「国民の知る権利」を拡大する法改正が進んでいます。

 ドイツでは、国防機密に対するスパイ行為や公務員の守秘義務違反を「秘密漏えい罪」として、5年以下の禁錮と定めています。しかし、ジャーナリストの報道については昨年6月、「報道の自由強化法」が連邦議会で採択、施行され、ジャーナリストを漏えい罪の対象として起訴することがきわめて難しくなっています。

 同法ができたきっかけは、2007年2月の憲法裁判所の判決でした。

 月刊総合誌キケロが05年9月に捜査当局の秘密文書を元に国際テロ組織アルカイダの活動を報道したことに対し、編集部とブルーノ・シラー記者が警察の家宅捜索を受け、資料を押収されました。

 判決は、機密漏えいをほう助したという疑いだけでは、家宅捜索と資料押収を正当化できないとしました。

 判決を受け、政府が報道の自由強化法案を議会に提出。連邦参議院(上院)は法案採択にあたって「機密漏えいほう助で罪を問うことは、ジャーナリストが国に批判的な取材をし、報道することを妨げることになる」と説明しました。

 法律上、機密漏えいのほう助そのものはまだ処罰の対象ですが、「機密漏えいの重要な容疑がはっきりとした事実で裏付けられている場合のみ、刑事手続きが進められる」と厳しい条件がついています。ジャーナリストを機密漏えい罪で問うことはほとんど不可能になっています。

 フランスでも、司法当局による記者や編集者への家宅捜索に抗議した全国記者組合(SNJ)などの取り組みで2010年、「情報源の秘匿」を強化する法改正が実現。同法は、メディアに対する当局の捜査を制限し、記者らが法廷で証言する際に情報源を秘匿することを認めています。 (片岡正明)


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