2013年11月21日(木)
きょうの潮流
「どうしていま、この法律がいるのか。戦争の足音が聞こえてくる」。元自民党幹事長の野中広務さんが秘密保護法案の空恐ろしさを口にしています。危険な感じがして仕方がない、と▼私たちの目、耳、口をふさぎ、厳罰によって知る権利を奪う。国家権力が国民をしばる弾圧法に反対の輪が急速にひろがっています。マスメディア・出版界をはじめ、法曹界や学者、市民・労働団体、女性などから次々とあがる声▼国民も呼応しています。多くの世論調査で、反対が賛成を大きく上回り、法案を推す産経新聞の調査でも約2カ月前に8割超あった「必要だ」が約25ポイントも下落。慎重審議を求める声は8割をこします▼この法案の危うさが明らかになるほど、懸念は尽きません。国会審議も矛盾だらけで、担当大臣の答弁は右往左往。みんなの党や維新の会がいう「修正」も本質は何も変わらず。わずかな論議で強行採決を狙う安倍自公政権に手を貸しているだけです▼歴史を振り返れば、国家が情報を隠し、操作してきたことで、国民はどれだけひどい目にあったか。先の戦争中に言論弾圧された横浜事件の関係者は「治安維持法の再来」と警告します▼だいたい、この法案はアメリカの戦争に日本を巻き込むために制定を迫ったもの。しかし当のアメリカは、日本をふくめ世界中に盗聴網を張り、自国の利益につなげています。暗闇社会に逆行させまいと、きょう東京の大集会をはじめ、各地で反対行動が連なります。“こんな悪法は許さない”