2013年11月19日(火)
きょうの潮流
この欄を担当するようになって、きょうは何の日だろうと、意識することが多くなりました。過去の出来事を思い返したり、新しいことを学んだり。毎日が何かしらの日に指定されています▼11月19日は、今年から国連が定めた「世界トイレの日」です。朝から恐縮ですが、世界中の3人に1人がトイレのない生活をしていると聞けば、無視できません。しかもそのために、毎日1600人の幼い子どもたちが命を失っているというのですから▼もともとは2001年のこの日にシンガポールのNPOが世界トイレ機関を創設。60億人が携帯電話を使えるのに、25億人がトイレを使えない現実を各地で訴えてきました。国連もこのままでは掲げた目標を達成できないと、啓発活動に力を入れています▼排せつ物に触れることなく、衛生的に処理されるトイレの普及は健康な生活に欠かせません。屋外での排せつは、水や地面を介して病原菌が体内に入り、下痢などの病気を引き起こすからです▼外出しても至る所にきれいなトイレがある日本は世界でもまれ。それだけにトイレのない生活は想像もつかないでしょう。日本ユニセフ協会はこの問題に関心をもってもらおうと、きょう立川の昭和記念公園でイベントを催します▼国連の担当者は「変化を促すとりくみは“すべての人にトイレを”というゴールにつながるもの」と草の根からの運動を呼びかけます。世界でひろがる貧困と格差とたたかい、命と環境を守っていく国際連帯の波はトイレにも。