2013年11月19日(火)
フィリピン・レイテ州 電力壊滅 燃料底つく
台風被害10日 難航する救援・復興
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【タクロバン=松本眞志】フィリピン中部を襲った台風30号の上陸から10日が経過、壊滅的打撃を受けたレイテ州都タクロバンでは、18日現在も復興には程遠い状態です。フィリピン国家災害対策本部は同日、死者・不明者は合わせて5574人になったと発表しました。
各地 死者・行方不明5574人
タクロバン市の海岸沿いは、ほとんどの住宅が倒壊しました。がれきの撤去は遅々として進まず、この日の早朝は9人の遺体が発見されました。付近一帯では100人が発見されずに残されているといいます。
叔母を亡くしたというロサリーナ・マカトさん(44)は、高台に逃れて運よく助かりました。「風のあおりによる高波が来て、水位がどんどん上がり3回も避難場所を変えた。叔母はがれきの下敷きになった」といいます。
現在、タクロバンにはフィリピン中央のセブ島を経由して、同じレイテ州の西側海岸沿いにあるオルモック市の港から陸路で救援物資が運び込まれています。
オルモック市も台風の被害で建物の多くが倒壊・半壊状態。インフラ(経済・生活基盤)の多くが破壊され、市の電力供給はほぼ停止状態です。フェリーの発着場に隣接する建物の屋根は完全に吹き飛ばされていました。これまでにオルモック市では27人の死亡と1621人の負傷者が確認され、12人が行方不明です。
燃料も極端に不足状態。オルモック市内のガソリンスタンド前には1キロメートルもの長い行列ができていました。
アルネル・ガルシアノさん(32)は、「燃料が底をつきバイクを手で押しながら午前9時半から6時間も行列の中で待ち続けています」。燃料価格は1リットルあたり150ペソ(約330円)で通常価格50ペソ(約110円)の3倍です。
スタンドは午前8時開店ですが、1日分の供給量がなくなると営業終了です。「待っても買える保証はない」とガルシアノさんはうんざりした表情です。