2013年11月18日(月)
無人機攻撃は国際法違反
米首都で国際会議 テロ対策でない
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【ワシントン=島田峰隆】米国がテロ対策と称して国外で実施している無人機攻撃の実態を学び、反対運動をどう強めるかについて議論する国際会議が16日、ワシントン市内で開かれました。会議では無人機攻撃による被害者の遺族から証言を聞いたほか、法律専門家が国際法に基づいて攻撃の違法性を明らかにしました。
米国の女性反戦組織「コード・ピンク」が主催しました。米各地からの参加者に加えて、英国、ドイツ、イスラエルの平和活動家や研究者など約400人が集まりました。
コード・ピンク共同設立者のメディア・ベンジャミン氏は開幕演説で「無人機攻撃は起訴、裁判、判決もなしに“容疑者”を殺害するものだ。こんな方法を続けていていいのか」と問題提起しました。
特に焦点になったのは無人機攻撃の違法性です。「米国国際法協会」の副会長で国際法が専門のメアリー・オコネル氏は「オバマ大統領は無人機攻撃を正当化することで国際法を台無しにしている」と批判しました。
同氏は▽そもそも武力行使や使用の威嚇は厳しく制限されている▽武力行使は最後の手段でなければならない▽わずかな“テロ容疑者”を理由に数千人を殺害するのは釣り合い原則に違反する―など国際法上の問題を指摘。「テロ対策で必要なのは容疑者を逮捕し、裁判にかけることだ」と強調しました。
元米空軍将校で弁護士のモリス・デイビス氏は、国連憲章など戦後の国際秩序づくりに米国が深くかかわったことに触れ「米国は秩序の破壊者でなく法の支配を守る模範になるべきだ」と述べました。
攻撃で親戚を失ったイエメン人が体験を発言。会場からは「米国民として申し訳ない。周りの人に実相を伝えたい」「無人機攻撃はテロ対策にならない」などの声が上がりました。
参加者は▽無人機攻撃に関するドキュメンタリー映画を各地で上映する▽地方自治体が反対決議を上げるよう追求する▽連邦議員に要請手紙を送る―などの行動を確認しました。