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2013年11月17日(日)

きょうの潮流

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 テレビから島倉千代子さんの最後の肉声が流れてきました。亡くなる3日前に、自宅で新曲を録音。奇跡の歌声とともに「人生の最期に、すばらしい、すばらしい時間をありがとうございました」と声を絞り出しました▼逝く間際まで歌とともに生きてきました。幼いころ左腕に大けがを負い、ふさぎこんだ娘を心配した母親がお風呂の中で歌った「リンゴの唄」。それが歌手への原点でした。姉と二人、あちこちで“のど自慢荒らし”。16歳でプロデビューを果たします▼当時、著名な作曲家に「なんて歌の下手な子なんだろう」といわれ、せめて詞の心をつかもうと、何度も読み返した日々。その姿は最後まで変わらず、人びとの胸にいつまでも残る歌につながりました▼大ヒット曲「人生いろいろ」を地で行く波(は)瀾(らん)万丈の歩みでした。度重なるけがや病気、大好きだった姉の自殺、保証人になったがゆえの借金地獄…。周りの裏切りや非難に声が出なくなることもありました。どんな試練も乗り越えられたのは、「歌があったから」▼ぼろぼろになりながら、歌を信じ、人を信じ、あの温かな笑顔で舞台に立ってきた島倉さん。本紙日曜版にもたびたび登場し、胸の内を語ってくれました。「人生って、つらいことがいっぱい。でも思い出のページをめくると、いいことだけ、笑った顔しか出てこないんです」▼持ち歌は2千曲とも。「この世の花」を一生懸命に咲かして、庶民に愛されつづけた75年の歌い手人生。お千代さん、どうぞ安らかに。


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