2013年11月16日(土)
日米「密約」 反省なし
赤嶺議員 「秘密国家許されない」
衆院国家安保特
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日本共産党の赤嶺政賢衆院議員は15日の国家安全保障特別委員会で、秘密保護法案に関わって、日米の「密約」について菅義偉官房長官が「民主党政権で出された報告書を現政権としては踏襲していく」(13日)と答弁したことを取り上げ、「広義の密約が存在した」という認定を「踏襲」するのかと質問しました。
報告書は2010年に民主党政権下で公表されたもので、「核持ち込み」「朝鮮有事の際の戦闘作戦行動」「沖縄返還時の核再持ち込み」「沖縄返還時の土地原状回復補償費の日本側肩代わり」の四つの「密約」についての外務省調査チームの報告書と「有識者委員会」の報告書の二つからなっています。有識者委員会の報告書は、核持ち込みや補償費肩代わりなどで「広義の密約が存在した」と結論づけています。
赤嶺氏の質問に岸田文雄外相は「現政権は外務省の調査報告書の内容を踏襲している」とのべ、「広義の密約」を認めた有識者報告書は踏襲されないとの考えを示しました。
これに対し赤嶺氏は、外務省報告書は沖縄返還の際、土地の原状回復費400万ドルを日本側が肩代わりするという密約に関する文書はみつからなかったが、日米間で交渉が行われたことを示すメモは発見されたとしていると指摘し、「密約は一切ない」としてきた過去の政府答弁の撤回を迫りました。岸田氏は「長期に国民の前に明らかになってこなかったことは遺憾に感じる」と述べるだけで、撤回を拒みました。
赤嶺氏は「日米安保のもとで何が秘密にされてきたのか、真実を明らかにすべきだ。『密約』問題への反省なしに、秘密を政府の恣意(しい)的判断で思うままにつくりだし、『秘密国家』にするのは許されない」と指摘しました。