2013年11月12日(火)
これが海自の身辺調査
家族・友人まで対象
赤嶺議員が国会で追及
携帯電話の通話記録からポリグラフ(うそ発見器)の検査まで。日本共産党の赤嶺政賢衆院議員が11日、衆院安全保障特別委員会で告発した海上自衛隊のものとみられる身辺調査書類は、つながりのあるありとあらゆる人間の情報を吸い上げています。プライバシー侵害の実態を見てみると―。
「記入要領」(写真1)では、「あなたの経歴を左右する大切な書類です」として、「記入に不備事項等が多い場合、申請の却下、あるいは適格性の取り消しとなることがあります。安易に省略したり、不明とせず、よく調査し、慎重に記入して」と、余さず個人情報を書き込むことを求めています。少なくとも2人以上の“友人”の名前や住所、生年月日や職業を必ず書くよう求めています。
「誓約書」(写真2)では、携帯電話通話記録などの提出やポリグラフ検査への協力を誓わせています(別項)。
「補助者」とされる上司が調査対象について評価する「調査票」(写真3)では、「本人への確認は行わず、貴官が把握している事実のみに基づいて判断し、回答してください」と明記。質問は、調査対象の私生活に関わるあらゆる情報を上司に“密告”させる内容となっています。
誓約書
私は、秘密にかかわる職員としての重い責任を自覚し、秘密保全に関する規則を遵守し、秘密を保全するためのあらゆる措置をとることに努め、公私を問わずファイル共有ソフトを使用せず、決して秘密情報の漏えい、流出等の保全事故を起こさないことを誓います。
また、情報保全部署から求めがある場合には、携帯電話通話記録等自己に関する個人情報を提出するほか、保全事故が発生した場合に行われる調査や捜査に対しても、ポリグラフ検査の受検を始めとした必要な協力を行うことをあわせて誓います。
私生活の情報 上司が“密告”
調査票の抜粋
▽素行(生活態度、交友関係ともに問題はない)▽金銭感覚(消費者金融会社等から職場への督促等の問い合わせはない。加えて、その他日常生活における金銭の消費感覚について問題はない)▽アルコール依存(アルコール摂取への強い欲求又は強迫感、自己統制が困難な飲酒、アルコール摂取中止時の離脱症状等のアルコールに対する依存を示す症状はない)▽頻繁な私的渡航▽特異な言動▽帰化(申請者本人及びその配偶者に帰化の事実はない。また、申請者の配偶者は外国国籍ではない)
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