2013年11月9日(土)
歴史学者も反対
議員会館で緊急会合
秘密保護法は研究に障害
|
秘密保護法案に反対する緊急声明を出した(10月30日)歴史学関係者は8日、18人が参加して衆院第2議員会館で緊急集会を開き、同法によって研究発展がいかに害されるかを指摘しました。
日本近現代史・軍事史が専門の吉田裕・一橋大学大学院教授は「公文書がひそかに破棄されかねない。政治家や官僚は口を閉ざし、インタビュアーは萎縮するためオーラルヒストリー(聞き取りによる歴史記述)に障害だ」と発言。
さらに、日本では公文書の扱いが粗末だったため現に戦争犯罪や戦争責任研究にも障害が生じているが、同法によって「外交や防衛、公安関係史料の公開がますます限定され、占領期史料のように諸外国史料との質的・量的格差が拡大して多面的・複眼的分析が困難になる」とのべました。
中東研究者の栗田禎子(よしこ)・千葉大学教授は「アフガン戦争、イラク戦争など中東で自衛隊が何をやっているかが調べられなくなる」、朝鮮史研究会の三ツ井崇氏は「日韓会談の史料は韓国側が公開しているのに日本側は出さない。法案は過去を隠蔽(いんぺい)するためか」と懸念を表明しました。
日本共産党の井上哲士参院議員、民主党の有田芳生参院議員があいさつしました。