2013年11月9日(土)
秘密保護法案
大手紙など「廃案に」
地方紙も連日警鐘
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7日の衆院本会議で審議入りした「秘密保護法案」にメディアが危機感を強めています。「朝日」、「毎日」、「東京」の3紙は8日付でそろって同法案の廃案を求める論陣を張りました。地方紙も「信濃毎日」が4日付から5日連続で法案批判の社説を掲載するなど、反対の動きが広がっています。
「秘密保護法案」は、国民の目・耳・口をふさぎ、「知る権利」など憲法の基本原理を覆すもの。日本を米国とともに「海外で戦争をする国」につくりかえる狙いです。
「朝日」は「社会に不安 廃案にせよ」とする論説主幹の論評を1面に掲載する異例の扱い。「この法案が通れば、むしろ社会に安心より不安の影を広げることになるだろう」と述べ、「廃案にするべきだ」と表明しました。
「東京」は社説で、同法案について「国家が国民の思想の領域まで踏み込むおそれがある」「平和主義や基本的人権を侵害されうる。憲法原理を踏み越えた法案である」と指摘。「国会議員は今こそ良識を発揮して、廃案にしてほしい」と求めています。
「毎日」は、5日付から8日付までの社説テーマが4日連続で秘密保護法案。一連の社説で、法案が国民の「知る権利」を犯し、「情報公開」の理念から離れ、国会の「国政調査権」行使に支障をきたす問題を解明してきました。8日付社説は、そうした解明の上にたって「重ねて廃案を求める」と強調。「法案概要が公表されたのは9月である。今から議論を始めてこの国会で成立を図ろうとすること自体、土台無理な話だ」と与党によるスピード審議の暴走を批判しています。
地方紙もいっせいに懸念を表明。連続社説を掲載している「信濃毎日」は8日付社説で「与党の数の力に頼って成立させることがあってはならない」と警鐘を鳴らしました。
「東奥日報」は、同法案が「メディアや市民運動、国会など外部のチェックをすべて排除し行政の情報統制が暴走する危険性をはらむ」と主張。福島民友や奈良新聞などは、「知る権利か安保優先か」の見出しを掲げました。