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2013年11月8日(金)

秘密保護法案に関する

穀田議員の質問

衆院本会議

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 日本共産党の穀田恵二議員(国対委員長)が7日、衆院本会議で行った「秘密保護法案」に関する質問(要旨)は以下の通り。


 秘密保護法案は、政府が勝手に秘密を指定し、情報を統制し、国民を監視し取り締まる弾圧立法にほかなりません。基本的人権、国民主権、平和主義という日本国憲法の基本原理を根底から覆す希代の悪法であり、断固反対です。

国民の批判封じ

 本法案の概要が、9月3日に発表され、15日間の限られた期間に、政府のパブリックコメントに9万件の意見が寄せられ、その8割が反対の意見でした。日本弁護士連合会、日本新聞協会、日本ペンクラブをはじめ、各界各層から立場をこえて反対の声が急速に広がっているのであります。安倍総理は、こうした国民の声を無視して法案を提出し、わずか53日間の会期の臨時国会で、強引に成立させると言うのであります。断じて許されません。

 いったいなぜ秘密保護法が必要なのですか。

 総理は、秘密保護法とNSCの創設は一体だといい、その一方で、集団的自衛権の行使をめぐる憲法上の制約を法解釈の変更でとりはらおうとしています。まず秘密保護法を制定し、国民の目、耳、口をふさいで、国民の批判を封じ込め、日本を「海外で戦争する国」につくりかえようというものではありませんか。

 「米軍再編」以来すすめてきた日米間の戦略・情報の共有、日米軍事一体化をさらにすすめ、日本の軍事的役割を拡大・強化しようというものにほかなりません。

 法案は、政府のもつ膨大な情報の中から「特定秘密」を指定し、最高で懲役10年の重い刑罰で、秘密を漏えいした公務員、知らずに秘密を漏らした者まで処罰することを骨格としています。

恣意的な判断で

 重大なことは、「特定秘密」の指定が政府に委ねられ、政府の恣意(しい)的判断で勝手に決められるということです。「特定秘密の範囲」を限定すると言いますが、「防衛」、「外交」、治安などに関し、「その漏えいが我が国の安全保障に著しい支障を与えるおそれがある」と政府が判断すれば、秘密に指定できるのであり、際限はないのであります。

 したがって、TPPに関する情報も、原発に関する情報も、秘密指定できることになるのではありませんか。

 しかも国民には、何が秘密か知らされません。自分が触れた情報が秘密かどうかわからないままに処罰されることさえ起きるのであります。最高刑10年の懲役で、国民を監視し、秘密の漏えい、その未遂、過失まで処罰し、それだけでなく、取材などで秘密を取得する行為、さらに、共謀、教唆、せん動も対象としています。包括的な厳罰体系で国民を監視する弾圧立法にほかなりません。

 報道や取材の自由に「配慮」する規定を盛り込んだと言いますが、正当な取材行為かどうか、取材行為のなかで、「人を欺」いたかどうか、「管理を害」したかどうかを一体誰が判断するのですか。それは警察ではありませんか。

 ジャーナリストの取材の当否を捜査機関の判断に委ねること自体、報道や取材の自由の侵害になることは明白ではありませんか。

二重三重の統制

 さらに、「特定秘密」が国会の立法権・調査権を侵害する問題です。

 「特定秘密」は、政府・行政機関の長が「我が国の安全保障に著しい支障を及ぼすおそれ」があると判断すれば、国会に提供されないのではありませんか。

 提供された場合でも、国会議員が、その秘密を政党内で議論しようとすれば、漏えいで処罰されるのではありませんか。これは、国民を代表する国会と国会議員が、外交・防衛など国政の重要問題で政府を監視しチェックすることを不可能にするものであります。

 これまでも、いまも日米安保のもとで多くの情報が秘密とされてきました。

 いくら国会で追及しても歴代政府は、核兵器持ち込み密約、沖縄返還密約を隠し続けてきたのであります。日米安保を揺るがしかねない情報は隠し通すというのが、政府の姿勢であり、その実態は深い秘密の闇につつまれています。そのうえ、漏えいから取得行為まで包括的に重罰を科し、二重三重に情報統制をしこうというのが本法案であります。これは、戦前の軍機保護法の再来というしかありません。

 かつて日本は、二重三重の機密法制で、国民の目と耳と口をふさぐ情報統制のもと、アジア侵略の戦争に国民を動員し、2000万人におよぶアジア諸国民と300万人の国民を犠牲にしたのであります。その痛苦の反省にたって、日本国憲法は、「政府の行為によって再び戦争の惨禍が起こることのないようにすることを決意」したのです。憲法前文にこめた日本国民の「決意」をくつがえし、秘密保護体制をつくり「戦争する国」への道をつきすすむことは断じてゆるされません。

 日本共産党は、広範な国民とともに、秘密保護法の成立を阻止するため、全力をつくすことを表明し、質問をおわります。


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