2013年11月6日(水)
ブラック企業 実態告発
労働者守る相談窓口、なぜ縮小
参院委 吉良議員
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日本共産党の吉良よし子議員は5日の参院総務委員会で質問し、都道府県の労政主管事務所が政府主導の「行財政改革」の名のもとに削減されている問題を取り上げました。
吉良氏は、「売れ残った食材の買い取りを強制されるなどの給料天引きにより手取りが月数万円」(居酒屋チェーン「ワタミ」で働いていた20代青年)、「24時間机から離れられず、抗うつ剤をラムネのようにかじりながら仕事をした」(秋田書店で働いていた女性)など企業名をあげてブラック企業の労働実態を告発。委員会室からどよめきが起こりました。
こうした労働者の相談窓口の一つが都道府県の労政主管事務所であり、「年間5万件を超える相談を受け、労働関係法の解説など多彩なセミナーを開催」(東京都)するなど重要な役割を果たしていると指摘。同事務所が総務省主導の「集中改革プラン」で統廃合され、長野県の南信地方では統合後の2年間で相談件数が800件も減った事例をあげ、「相談に応えたいという現場の思いが削られ、人手があれば聞けたはずの労働者や若者の声を取りこぼしている。総務省の責任は重い」と追及しました。
新藤義孝総務相は、労政主管事務所の役割は「重要だと思う」と認めながらも、「行財政改革を進めるか、サービス向上をはかるかを決めるのは自治体」と答弁。吉良氏は、「地方の重要な機能を失わせるのでなく、責任を持って労働者と若者の権利と雇用を守る体制を」と強調しました。