2013年11月3日(日)
スノーデン氏(CIA元職員)の事情聴取
独内相、前向きの姿勢
【パリ=浅田信幸】ベルリンからの報道によるとフリードリヒ独内相は1日、「スノーデン氏がわれわれに情報を提供したいというのであれば、喜んで受ける」と語り、米国家安全保障局(NSA)によるメルケル独首相の携帯電話盗聴疑惑について、同氏への事情聴取に前向きの姿勢を示しました。
盗聴疑惑は、米中央情報局(CIA)の元職員である同氏が持ち出した機密文書から浮上したもの。内相は盗聴を犯罪捜査の対象とする可能性も示唆しており、米国側に説明を求めるとともに、独自の疑惑解明に乗り出す構えです。
ドイツの野党、90年連合・緑の党のシュトレーベレ連邦議会議員が10月31日、ロシアに亡命中のスノーデン氏とモスクワで面会。疑惑解明のため、ドイツ側に協力する用意があるとの意思を確認したことを受けたものです。
スノーデン氏は、ドイツの関係当局に宛てた書簡を議員に託し、その中で「系統的な違法行為」を目の当たりにして行動することは「道義的な義務」だったと強調。「国際社会の支持で、米国政府がこの有害な行為を放棄すると確信する」と述べています。
ただ事情聴取が実現するかどうかは微妙。ドイツに行けば、ロシアでの亡命者の身分を剥奪されます。ロシア国内で事情聴取に応じれば、亡命を受け入れた際にプーチン大統領が求めた「米国の利益に反する行為はしない」との約束に背くことになります。
フリードリヒ内相は「スノーデン氏が話すというのであれば、われわれはそれを可能にする方法を見つける」と述べています。