2013年11月2日(土)
インドネシア 賃上げ求めゼネスト
国民の4割 1日2ドルの生活
【ハノイ=松本眞志】インドネシアで10月31日、最低賃金の5割増、社会福祉の改善などを要求するゼネストが全国各地で実施されました。警察発表によると、ジャカルタ首都圏で約6万人、全国で約15万人が参加。労組側は全国で150万人が参加したと主張しています。
インドネシアではこの数年間、経済成長率が著しく伸びていましたが、今年は政府が成長予測をたびたび下方修正するなど伸び率にかげりがみえています。中央銀行は、当初の経済成長率予測6%を下回る5・5%に落ち込むと指摘しました。一方でインフレは輸入物資高から年率9%と予測されています。
経営者側は「賃金の急激な引き上げは国内企業の外国資本企業との競争力を奪う」と主張し、労働者側の要求に難色を示しています。
全インドネシア労働組合総連合(KSPSI)のアンディ・ガニ委員長は、「今年は多くの解雇が行われた。われわれが勤務する衣料・繊維産業をみた場合、労働者への打撃を抑えることが必要だ」と語りました。
インドネシアでは、労働者の権利意識が高まるなか、2012年に数十万人が参加する賃上げデモが頻発し、今年の最低賃金がジャカルタ首都圏で前年比44%増の月額220万ルピア(約1万9000円)となるなど各地で賃上げが実施されました。しかし、労組に組織されている労働者はわずか700万人。人口約2億4400万人の国民のうち4割は、1日2ドル(約200円)の生活を強いられています。
インドネシア労働組合総連合(KSPI)のサイド・イクバル議長は、14年の最低賃金を全国で50%引き上げるよう要求。ジャカルタでは前年比68%増の月額370万ルピア(約3万2000円)にするよう求めています。
首都圏の日系企業の多くはストで休業しました。