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2013年11月2日(土)

きょうの潮流

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 「政策決定者の意に反する情報を上げるというのは、人間のやることだから、難しい面もある」。10月31日の衆院安保特別委員会で、日本版NSC(国家安全保障会議)設置法案について意見陳述した柳沢協二・元内閣官房副長官補の言葉です▼官僚が上司である首相や閣僚の意に沿う情報を上げれば評価されるが、逆に、真実であっても意に反する情報なら報告をためらってしまう―。40年近い官僚人生を歩んできた柳沢氏の発言だけに説得力があります▼柳沢氏の念頭にあるのはイラク戦争です。戦争を始めたいブッシュ前米政権の意に沿うよう、情報機関が「イラクに大量破壊兵器が存在する」という誤った情報を大量に流したのです▼「分析官たちは、開戦論を支持するものは何でも受け入れた。大統領の計画にかみ合う限り、人の受け売りや又聞きのうわさもうのみにした」(ティム・ワイナー『CIA秘録』)。その結果、100万人とも言われる命が失われました▼日本版NSCは、官邸が各省庁の情報を一元的に管理し、外交・安全保障政策を決める仕組みです。ねつ造されたものも含めて、安倍政権の意に沿うような情報しか上がってこず、しかもそれらの情報が秘密保護法で「特定秘密」に指定されたら、批判も検証も困難になります▼政府の一部の人間だけが情報を独占して誤った決定がなされた場合、後戻りできなくなることを、日本人は戦前、経験しています。「戦争する国づくり」を急ぐ安倍政権に、同じ過ちを繰り返させてはなりません。


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