2013年11月1日(金)
「大阪都」構想 数々の無理
山中市議 制度設計案ただす
府市特別区設置協議会
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大阪市を解体する「大阪都」構想の制度設計を話し合う府市特別区設置協議会(法定協)が30日、市議会内で開かれ、日本共産党の山中智子市議が、大阪市を廃止し5か7の特別区に分割する制度設計案をただしました。
山中氏は、「都」構想は、行政運営の経費の増加に加え、膨大な初期経費を要するなど数々の無理があると指摘。最大4・5倍もの格差がある特別区の歳入の調整では、1人あたりの歳入が2番目の区が調整後は最下位になる例もあるが、これほどの調整は住民の理解を得られないと述べました。特別区の普通財産も最大39倍の格差が生じ、再配分を考えるとしているが、いったん配分したものを独立した自治体から取り上げることができるのかと批判しました。
児童相談所を特別区に設置するとしながら一時保護所はつくらずに共同利用とし、偏在する受け皿施設、職員はほぼ現状のままという案に対しては、機能が低下することは明らかだと批判しました。
また、市を分割しても国保や介護保険など78もの事業を共同で担う一部事務組合をつくろうとしており、巨大組合に住民の声が反映されにくくなるだけだと指摘しました。
各党議員からも「来年秋の住民投票から(特別区設置までの)わずか半年で1500名の職員を新規採用するというのは厳しい」(公明党)、「スケジュールに無理に合わせようとして拙速な議論が行われている」(自民党)と批判が相次ぎました。橋下徹大阪市長は記者団に、区割り案について「そろそろ方向性は決めていかないといけない。僕は5区案が妥当だと思う」と語りました。