2013年11月1日(金)
三池炭鉱事故CO中毒患者ら
医療機能確保 早期に
確認書実現 厚労省と交渉
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福岡県大牟田市で1963年に起きた三井三池炭鉱三川鉱炭じん爆発事故による一酸化炭素(CO)中毒患者とその家族、支援者らでつくる「三池高次脳連絡会議」は31日、厚生労働省と同市で交渉し、国が一定水準の医療機能の確保を約束した「確認書」の早期実現を求めました。
確認書は、脳の損傷「高次脳機能障害」で記憶力や思考力などの障害を負ったCO患者を治療するために、患者・家族と国が2006年3月に締結。国は、大牟田労災病院廃止後の06年4月に民営として設立された社会保険大牟田吉野病院で「病床100床体制」「神経内科、内科、精神科、リハビリテーション科は最低確保」「各診療科に常勤医師を配置」などを約束しましたが、常勤医師は現在3人にとどまるなど、実現していません。吉野病院の設立後、入院CO患者14人が亡くなっています。
連絡会議側は、確認書実現の「工程表」提示を求めたものの、厚労省側は「医師不足もあり、工程表を示すのは難しい」などと答えるだけでした。
参加した家族からは「命にかかわる問題なのに8年間も放置している」などと怒りの声が相次ぎました。
三井三池炭鉱三川鉱炭じん爆発事故 1963年11月9日、福岡県大牟田市の三井鉱山(現・日本コークス工業)三川鉱で発生し、死者458人、一酸化炭素(CO)中毒者839人を出した大惨事。原因は、三井鉱山が炭じん清掃や散水など保安対策を怠ったためでした。深刻な障害を負ったCO患者の治療を主な目的に、大牟田労災療養所(現・社会保険大牟田吉野病院)が64年に設立され、吉野病院には現在17人のCO患者が入院しています。