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2013年11月1日(金)

きょうの潮流

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 今年のプロ野球日本シリーズの舞台となった、東京ドームの一角に「鎮魂の碑」があります。若くして戦火に散った選手たちを悼んだ石碑ですが、そのなかに熊本工から巨人に入った吉原正喜(まさき)の名前が刻まれています▼強肩で俊足、闘志あふれ、リーダーシップに優れた吉原は学生時代から名捕手と評判でした。その吉原と熊本工でバッテリーを組み、「刺し身のつま」で巨人に入団したのが、川上哲治(てつはる)さんでした▼投手でプロ入りしたものの、打者の才能が開花。2年目に早くも首位打者と打点王のタイトルを取ります。しかし、戦争の拡大によって野球は「敵性文化」と迫害され、強打者の道を歩んでいた川上さんも軍隊生活を余儀なくされます▼球友をはじめ、たくさんの仲間を奪われた傷心を胸に終戦の翌年に復帰。戦前から使っていた赤バットからくりだす“弾丸ライナー”は、戦後の自由の息吹をファンに強烈にアピールしました▼監督としても巨人V9を達成し、ONとともにプロ野球黄金期を築きました。常勝を使命とし、「勝って勝って勝ち抜いて、勝ち続ける。プロの値打ちはここにある」と断言。チームの盛衰は99%が監督の力で決まると管理野球を徹底しました▼門限や査定制度を取り入れ、選手を駒のように動かす采配。企業経営者からもてはやされた管理術は今も引き継がれ、野球をつまらなくした原因とも指摘されています。良くも悪くも、野球にとどまらず、日本のスポーツに大きな影響を与えた巨星が墜(お)ちました。


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