2013年10月30日(水)
スペインでは6000万件
通信傍受 米国に抗議
昨年末から30日間
【パリ=浅田信幸】スペイン紙ムンド(電子版)は28日、米国家安全保障局(NSA)がスペイン国内で電話やインターネットによる通信を監視し、昨年末から今年初めにかけての30日間に6000万件超の通信を傍受していたと報じました。
米中央情報局(CIA)の元職員エドワード・スノーデン容疑者が提供した情報に基づいたもの。それによると、昨年12月10日から今年1月8日までの間に実行された通信傍受では、通信内容以外の「メタデータ」と呼ばれる電話番号や発信元、通信相手、通信時間などを記録。電子メールやフェイスブック、ツイッターによる通信の個人情報も対象になりました。
こうした活動はスペイン刑法で犯罪とされています。同国外務省は同日、米国のコストス駐スペイン大使を呼び、「同盟国間でこのような行為は不適切で容認できない」と抗議し、説明を求めました。
欧州では先週来、NSAがフランスで7000万件超の傍受・盗聴を行っていたことや、メルケル独首相の携帯電話を盗聴していたことなどが相次いで暴露され、週末に開かれた欧州連合(EU)首脳会議でも主要議題となりました。
米欧は北大西洋条約機構(NATO)という軍事同盟で結ばれた関係にありますが、「重大な背信行為」(メルケル氏)にきしみが拡大。どのように決着をつけるか、双方の政治指導者が対応に苦慮しています。