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2013年10月30日(水)

産業競争力強化法案に対する

衆院本会議 塩川議員の質問

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 日本共産党の塩川鉄也議員が29日の衆院本会議で行った産業競争力強化法案に対する質問は以下の通りです。


 本法案は、アベノミクス「第3の矢」である成長戦略の具体化として、「世界で一番企業が活動しやすい国」に日本を変えるため出されたものです。

 成長戦略は、全国単位、戦略地域単位、企業単位の3層構造で、企業が求める規制緩和を進めるものですが、規制緩和で企業を強くすれば国民生活が向上するのでしょうか。

 バブル経済の崩壊後、実行された規制緩和と構造改革は何をもたらしたか。

 自動車・電機など大企業は、海外生産比率を高め世界的な多国籍企業となり、逆に、国内産業と雇用の空洞化をもたらしました。派遣・請負など非正規雇用が激増し、リストラ・雇用破壊、賃金引き下げが消費を冷やし続けています。

 他方、上場大企業の外資比率が急増し金融投機が横行するなかで、金融大資産家が生まれています。結局、貧困と格差の拡大だけだったではありませんか。

 米国の「対日規制改革要望書」による一連の規制緩和政策と「小泉構造改革」の結果、日本は世界で最も規制の緩い国になっているのではないですか。

 1999年のリストラ支援の産業活力再生法(産活法)と労働者派遣法の原則自由化は、極めて重大な悪影響を及ぼしました。甘利経済再生大臣は、当時の関係大臣として、その反省はありませんか。

 法案について伺います。第一は、「企業実証特例制度」の問題です。

 そもそも個別企業が希望する規制緩和を法律で担保するようなことが許されますか。それが産業全体の競争力向上をもたらすのですか。経団連が要求するような企業ごとの労使協議による労働法制緩和など論外です。

 第二は、産活法との関連です。

 産業活動のリストラとM&A(企業の合併・買収)などの再編計画で、産活法を継承し「従業員の地位を不当に害するものでないこと」と定めています。しかし産活法の下で18万人もの電機リストラが強行され、労働者の権利と地位が「不当に害されている」ではありませんか。

 産活法の認定企業607社について、どのような検証と総括を行ったのですか。労働者の権利と地位を守る監督・指導こそ行うべきではありませんか。

 第三は、ファンド活用の問題です。

 外資ファンドによる企業支配とリストラは野放しにされ、昭和ゴム、アデランス事件やサーベラスの西武鉄道TOB(株式の公開買い付け)など、日本は世界最高の規制なき「ファンド天国」とさえいわれています。必要なのは、野放し状態の是正です。内外ファンドの実態、摘発事件数および規制の強化策について答弁を求めます。

 第四は、税負担の問題です。

 9月のG20でもテーマとなったファンドやシャドーバンキング、あるいはアップルなど多国籍企業のタックスヘイブン(租税回避地)を利用した税金逃れの規制強化策について、日本政府はどのような国際的イニシアチブをとるのですか。

 国際展開している多国籍企業に税金をまけても、グローバル資本の彼らが当該国の投資や雇用に振り向ける企業行動をとる保証はありません。OECD(経済協力開発機構)の報告にあるように多国籍企業による有害な「税の引き下げ」競争にくみせず、これ以上法人税率引き下げの検討は行うべきではありません。

 多国籍企業化が進めば「企業利益と国民の利益が一致しなくなる」ことは、1992年の「通商白書」が指摘しています。多国籍企業に成長した大企業を応援し産業競争力を強くしても国民生活向上につながりません。

 国民生活を最優先させた日本経済発展の道に根本的に政策を切り替えることを求めます。


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