2013年10月30日(水)
米政府の元高官が懸念
河野談話の「見直し」、首相の靖国神社参拝
アーミテージ氏、ナイ氏
元米国務副長官のリチャード・アーミテージ氏と元国防次官補のジョセフ・ナイ氏は29日、都内で開かれたシンポジウムに出席し、戦時中の日本軍「慰安婦」問題をめぐり強制性と日本軍の関与を認めた河野官房長官談話「見直し」を安倍晋三首相がもくろんでいることや、日本の首相による靖国神社参拝に対し、懸念の声をあげました。
ナイ氏は「河野談話のいいことは、歴史問題について明確に処理したことだ」と指摘し、「これを否定すれば日本に大きなダメージとなる。米国との関係を傷つける波及効果も与える」と強調。首相の靖国参拝については、「歴史問題のシンボルのようにとらえられている。靖国神社に参拝すると大きな打撃を近隣諸国に与え、米国との関係でもマイナスの波及効果になる」と述べ、戦没者追悼は別の方法を追求すべきだと求めました。
アーミテージ氏も靖国参拝について、「日本の首相は選挙で支持をした人たちだけの代表ではなく、すべての国民を代表している」と指摘。「適切な方法をあらゆる知恵を出し決定すべきだ」と述べました。