2013年10月23日(水)
自公、秘密保護法案了承
25日に閣議決定、情勢緊迫
自民、公明両党は22日夕の政策責任者会議で、軍事・外交など国政の重要問題で、情報を統制し、国家公務員らへの罰則を強化する「秘密保護法案」を了承しました。これに先立ち、自民党は総務会で、公明党は政調全体会議でそれぞれ党内手続きを終了。政府は同法案を25日に閣議決定、国会に提出します。
公明党の山口那津男代表は22日の記者会見で「わが党の提案をほぼ受け入れる形で政府・与党の合意ができ上がった。今国会で成立を図るべく政府・与党で努力する」と強調。菅義偉官房長官も会見で「会期中に成立を期していきたい」と語りました。
法案は、「行政機関の長」が「我が国の安全保障にとって著しく支障を与える恐れがある」と判断すれば、いくらでも「特定秘密」を指定できる仕組み。しかも、国民は「何が秘密」も知らされないまま、「特定秘密」に接してしまえば処罰されることになります。そのため、日本弁護士連合会や日本ペンクラブはじめ広範な市民から反対の声が起きています。
公明党などは「知る権利」や「報道または取材の自由」を明記したとしていますが、幅広い罰則規定のもとで情報統制をする法体系のままで危険性は払拭(ふっしょく)できません。
政府・与党は「秘密保護法案」について、通常国会から継続審議の日本版NSC(国家安全保障会議)創設法案と併せ、衆院国家安全保障特別委員会で審議する方針。NSC法案に関しては、25日の衆院本会議で趣旨説明と質疑を行い、28日に委員会で実質審議入りしたい考え。「秘密保護法案」は11月中旬に想定されるNSC法案の衆院通過後に審議入りを強行する構えで、緊迫した情勢になっています。