2013年10月19日(土)
安倍政権の暴走に正面から対決
参院本会議 市田書記局長の代表質問
消費税増税、環太平洋連携協定(TPP)交渉、原発再稼働・輸出、集団的自衛権行使容認などの暴走を強める安倍政権。日本共産党の市田忠義書記局長は18日の参院本会議での代表質問で、安倍政権の暴走に正面から対決し、国民の暮らしと平和を守る道筋を示しました。
TPP交渉
「日本の農家守る」を政治の目標に掲げよ
「日本の農家を守ることこそ政治の目標に掲げるべきだ」。市田氏が安倍晋三首相に求めました。
2月1日の参院本会議でTPP交渉について、「すべての情報を国会と国民の前に示すべきだ」と安倍首相に求めた市田氏。安倍首相は「しっかりと情報提供する」と約束していました。
ところが、安倍首相はそんなことは忘れたかのようでした。
市田 日本が米国に示した自由化率は92%と報道されている。それは事実か。もし事実なら、240品目の関税を撤廃する表明をしたことになる。
首相 詳細は差し控える。
安倍首相はその一方で、「報道内容は事実ではない」ことを明らかにしました。
市田氏は、「食料主権を守ることは世界の流れ。自給率向上の明確な目標を掲げること、そのために、日本の農家を守ることこそ、政治の目標に掲げるべきだ」と強調。農家の声を代弁した質問にたいして安倍首相は、「食料自給力を向上させることを重要だと考えている」と自給力という言葉もまぜてごまかしました。
水俣病被害
どこが「被害の克服」1人も残さず救済を
安倍首相は10月9〜11日に熊本県で行われた「水俣条約外交会議」に「水銀による被害とその克服を経たわれわれ」とするメッセージを寄せ、水俣病被害が克服されたとの認識を示しました。
「いまだ悲惨な後遺症に苦しむ方がたくさんおられる。水俣病の症状があるのに、年齢と地域を限られて救済措置の申請もできずに苦しんでいる患者が数多くいる」と被害の実態を紹介した市田氏。被害住民だけでなく、熊本県も求めた47万人の健康調査を拒否した政府の姿勢を批判しました。
市田 これのどこが「被害の克服か」。首相がやるべきは被害の実態調査・健康調査と、1人も残さず患者の救済を図ることだ。
首相 「克服」との表現は、水銀のリスクを大きく減らしてきたこと、水俣の人々の努力を踏まえたもの。
安倍首相は、すでに被害者を年齢と地域で選別している「水俣病被害者救済特別措置法」の方針に沿って取り組むとしか答えられませんでした。
集団的自衛権
閣議決定で解釈の変更 憲法が憲法でなくなる
安倍政権は集団的自衛権行使容認に向け前のめりな姿勢を示しています。
市田氏は、「集団的自衛権は、日本の『防衛』の問題でもなければ、米本国の『防衛』の問題でもない」と強調。「実際に発動されたのは、大国による無法な干渉や、軍事介入の戦争だった」と述べ、国連憲章51条にもとづく集団的自衛権が、当事国の「防衛」のために発動された事例をただしました。
安倍首相は、市田氏があげた事例には一言も触れられない一方、1991年の湾岸戦争や2001年の米国と北大西洋条約機構(NATO)によるアフガニスタンでの「対テロ」戦争しかあげられず、「防衛」の例は語れませんでした。
市田氏は、「『集団的自衛権は行使できない』という憲法解釈があったからこそ、自衛隊の海外での戦闘行為に『歯止め』が働いていた」と指摘しました。
市田 この「歯止め」を取り払って、米軍と肩をならべて海外で「戦争する国」につくりかえることが、集団的自衛権行使の狙いではないか。
首相 (安保法制懇の)議論を待つ。
市田氏は、解釈変更の閣議決定だけで集団的自衛権の行使を認めようとたくらむ安倍政権の姿勢を批判。「こんなことがまかり通れば、憲法が憲法でなくなってしまう。このような行為は断じて許されない」と批判しました。