2013年10月18日(金)
対案掲げ政治の根本転換迫る
志位委員長が代表質問
衆院本会議
日本共産党の志位和夫委員長は17日、衆院本会議で代表質問にのぞみました。7月の参院選で党が躍進して初の代表質問です。放射能汚染水、消費税大増税、賃上げ・雇用、環太平洋連携協定(TPP)、秘密保護法案―切迫した国政問題をめぐって具体的対案を掲げながら安倍政権・自民党に正面から対峙(たいじ)し、政治の根本的転換を迫りました。
|
汚染水問題―四つの転換点
深刻な事態にたちいたった放射能汚染水問題―。志位氏は政府の姿勢を四つの点(別項1)で根本的に改めるよう迫るとともに、安倍晋三首相が「状況はコントロールされている」「完全にブロックされている」などと事実をねじ曲げる発言をおこなったことを「有害きわまりない」と厳しく批判し、発言の撤回を要求しました。首相は正面から答えることができませんでした。
志位氏はまた、東京電力の「コスト優先」姿勢を批判し、「もはや当事者能力がないことは誰の目にも明らかだ」として、東電を破綻処理し国が全責任を果たす体制を構築することを提案しました。首相は「電力安定供給などを確実に実施していくべき」だなどとのべ、破綻処理に背を向けました。
別項1 放射能汚染水提案
(1)「放射能で海を汚さない」ことを基本原則として確立する(2)現状の徹底調査・公表、「収束宣言」を撤回し、非常事態という認識の共有をはかる
(3)再稼働の活動を中止し、汚染水問題の解決にもてる人的・物的資源を集中する
(4)当事者能力がない東電を破綻処理し、国が直接、収束・賠償・除染に全責任を果たす体制を構築する
消費税大増税 道理なし
志位氏は消費税大増税問題でも首相の暴走を真っ向から批判。首相が増税後の「経済対策」で大型公共事業や大企業減税を打ち出したことについて、「所得が減り続けている国民から8兆円も吸い上げ、270兆円もの内部留保を抱える大企業に減税をばらまくのは、あまりに不当な大企業優遇の政治ではないか」と指弾しました。
そのうえで、▽1997年の増税で大企業減税・大型公共事業の「景気対策」を行った結果、国と地方の借金が拡大し財政危機が加速したこと▽政府の社会保障制度改革「プログラム法案」が手あたりしだいの負担増と給付減を盛り込んでいること―を明らかにし、「財政再建のため」「社会保障のため」という増税の口実はまったく成り立たないことを示しました。
志位氏は「ひとかけらの道理もない消費税大増税を中止せよ」と迫りましたが、首相は「消費税率引き上げ分は全額社会保障の充実、安定化にあてる」と3回繰り返すだけで、志位氏の指摘にまともに答えることができませんでした。
賃上げ・雇用――政府がなすべきこと
「働く人の賃金を引き上げることは、デフレ不況から抜け出す最大の決め手だ」と強調した志位氏は、“法人税減税が賃上げにつながる”という首相の空論を事実で批判したうえで、「本気で賃上げをめざすなら、これまでの姿勢の根本的転換が必要だ」と述べ、政府がいまなすべき二つのこと(別項2)を提起しました。
また、政府が進める「解雇特区」「ブラック企業特区」の中止・撤回を求めました。
ここでも首相は批判を受けてもなお、「企業収益の拡大を賃金上昇や雇用拡大につなげていく」と繰り返すだけで、破綻した従来の路線にしがみつく考えを示しました。
別項2 賃上げ―二つの提起
(1)政府として、経済界に「内部留保の活用で賃上げを」ということを正面から提起する(2)雇用のルールを強化し、非正規社員の正社員化をはかり、人間らしい雇用を保障する