2013年10月13日(日)
暴力団に融資
みずほ名誉顧問は国家公安委員
FG頭取は社外役職を辞任するが…
グループの信販会社オリエントコーポレーション(オリコ)を通じて暴力団員らに融資していたみずほ銀行の持ち株会社「みずほフィナンシャルグループ(FG)」の名誉顧問が、暴力団排除を担う警察行政を監督する国家公安委員に名前を連ねていることが分かりました。
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この名誉顧問は、前田晃伸(てるのぶ)氏(68)。みずほ銀行の前身の一つである富士銀行副頭取を経て、2003年1月に、みずほFG社長、09年4月に同会長、10年4月に同特別顧問に就任、11年2月22日から国家公安委員をしています。
定例会議で質問
国家公安委員会は、国務大臣である委員長(現在は古屋圭司自民党衆院議員)と有識者ら5人の計6人で構成。毎月4回程度、定例会議が開かれ、暴力団対策についても論議しています。
たとえば、昨年4月12日の定例会議では、北部九州4県警による暴力団対策に関する協定締結について報告があり、前田氏は「もともと福岡県の暴力団である道仁会の分裂により、広域かつ長期間にわたって強烈な抗争事件が続いているが、この間、九州管区警察局はどのような対応をとってきたのか」などと質問しています。
全銀協「指針」は
前田氏は、みずほFG社長在任中、全国銀行協会(全銀協)の会長も務めましたが、全銀協は「行動指針」で、暴力団などの「市民社会の秩序や安全に脅威を与える反社会的勢力とは断固として対決し、関係遮断を徹底する」ことなどをうたっています。
みずほFGの佐藤康博頭取は、政府の産業競争力会議の民間議員など、社外の役職を辞任します。前田氏は、暴力団組員らへの融資が行内で把握された10年7月には、みずほFGの取締役を退任していたとはいえ、特別顧問に就任しており、国家公安委員という公職にとどまることがふさわしいのか、問われています。