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2013年10月8日(火)

きょうの潮流

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 口先だけで、うまく相手をあしらう「舌先三寸」。矛盾したことや、うそをつく「二枚舌」―。舌は、話し方だけでなく、話の中身や人格まで表すときによく使われます▼大詰めをむかえている、バリ島でのTPP(環太平洋連携協定)交渉。秘密裏にすすめる安倍政権や自民党のいうことは、まさに「舌の根の乾かぬうち」。日本の行く末がかかっているのに、発言がころころと変わります▼2日のTPP反対集会でのこと。自民党の石破幹事長は、農産物の重要5品目について「必ず守る」と断言しました。その数日後。現地入りした同じ自民党のTPP対策委員長は5品目の関税交渉について、「抜けるか抜けないかの検討はしないといけない」▼絶対に守るといいながら、一方で関税をなくすことを検討するという。これでは国民をだます二枚舌です。裏切られた農業関係者はあきれ果て、顔に怒りをにじませました。食やくらしを守るなら、交渉から外れればいい▼それにしても支持率の高さをかさにきた、政権・与党のおごりたかぶりは目に余ります。たとえば、安倍首相。「私を右翼の軍国主義者と呼びたいなら、どうぞ呼んで」「原発の安全技術でこれからも世界に貢献していく」▼国民や世界との溝を深めていく言動の連発。その一つ一つに手痛いしっぺ返しが待っているとも知らずに。「舌の剣(つるぎ)は命(いのち)を絶つ」という使い方もあります。軽率な発言のために自分の生命をも失うことがある。言葉は慎むべきであるという教えです。


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