2013年10月7日(月)
熊本・水俣 国際シンポ閉幕
毛髪から高濃度の水銀・感覚障害…
海外の汚染実態報告
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水俣病被害者団体などでつくる「水俣から水銀条約を問う会」は6日、「公害の原点」とされる水俣病被害の教訓を国際社会に伝えようと、前日に続き熊本県水俣市で国際シンポジウムを開き、海外の水銀汚染の実態などを報告し、閉幕しました。
基調講演したデンマークのフィリップ・グランジャン博士は「水俣の教訓を生かすべきだ」と提起。報告者からは、国連環境計画(UNEP)主催の外交会議で採択・署名される水銀条約について「水銀汚染をなくす措置をどう義務付けるか」などの指摘が出ました。
水銀汚染を調査しているカメルーンのギルバート・クエポウオ博士は、セメント工場や廃棄物焼却炉などで排出された水銀が川や魚を汚染し、漁師の毛髪から高い濃度の水銀が検出されたと報告。インドネシアの環境専門家のユーユン・イスマワティさんも「(一部地域で)おとなや子どもに(感覚障害など)水銀中毒の症状が見られた。環境改善と被害防止に取り組む」と語りました。
水俣病患者の検診に長年取り組んできた藤野糺(ただし)医師(71)も参加し「海外の人は真剣に取り組んでいる。日本政府は、水俣病被害の全容解明と全ての被害者救済を実現するべきだ」と語っていました。