2013年10月7日(月)
未来つくるそれぞれの一歩 金曜官邸前から
デモのイメージ変わった
高校生が参加者にインタビュー
「こんばんは、少しお話うかがっていいですか」「どうして原発に反対しているんですか」―。首相官邸前をはじめ、永田町一帯が原発反対の声に包まれた4日、私立和光高校(東京都町田市)の生徒が参加者にインタビューしている姿がありました。高校生は何を感じ、受け止めたのでしょうか。
(舘野裕子、仁田桃)
課外授業として
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課外授業に参加したのは2、3年生約70人。2〜3人で一組になり、自分たちで考えた質問や思いなどを参加者に投げかけ、交流しました。
熱心にメモを取りながら、参加者の声に耳を傾けていた2人の男子高校生(2年、17歳と16歳)。声をかけた73歳の男性は「毎週続けるためには、楽しくなくては」と、手作りのグッズを見せてくれたといいます。「明るく前向きなその発想に圧倒されました」と驚いた様子。「来る前はデモはもっと怖いと思って緊張したけど、みんな明るく元気に抗議しているのでイメージが変わりました」
年配の3人に話を聞いて共通して言われたことは「次世代の人たちに、自分たちの思いや行動をひきついでほしい」という言葉でした。
「年配の人ががんばっているのに、僕たちは何をしていたんだろうという気持ちになりました。3人から、がんばってと励まされ、僕も原発をなくさなければという思いがより強くなりました」「ここで毎週、自分の思いを表明するのはすごいことだと思います。僕に何ができるかわからないけど、原発に反対する気持ちを強くもっていきたい」と晴れやかな顔で口々に語りました。
スタイルは自由
3年生の男子生徒は「みんなひたむきというか、熱い思いを持っていると感じました。原発についてどう思うか聞いただけで、色々な意見が出て、すごく多様だと思った。抗議のスタイルも自由」と発見を語りました。
カメラを肩から下げた2年生の女子生徒(16歳)2人は「脱原発するには何が必要か」「日本のエネルギー政策はどうあるべきか」などを質問していました。「エネルギー政策は、政府まかせではなくて、みんなで考えられるようになればいいという意見が印象的でした」と話します。2人は来るまでは、「どんな人が来るのか」という不安と緊張、「少しめんどくさい」という気持ちがあったといいます。「人それぞれの意見が聞けて楽しかった」と笑顔で話しました。
社会科の佐々木太郎先生は、この活動を通して「どんな人が、どんなことを考えているのかを知ることで、いろいろな考えに触れる機会になると思います。世の中、変わらないと思っている生徒たちに、こうして声を上げ続けている人たちがいる、ということを知ることも大切ではないか」と話しました。