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2013年10月4日(金)

きょうの潮流

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 自分の子どもがある日、他人の産んだ子だとわかったら―。しかもそれが、憎しみあう民族同士の子どもだったとしたら、驚きは計り知れないでしょう▼その事実が明らかになったとき、ふたつの家族はどうなるか。今月中旬に公開される映画「もうひとりの息子」は、大胆かつ繊細なテーマに挑んだ意欲作です▼テルアビブに暮らすイスラエルのある家族。18歳になった息子が兵役検査を受けるところから物語は始まります。湾岸戦争の混乱のなかで出生時の取り違え、わが子はヨルダン川西岸地区に住むパレスチナ人家族に…。重い衝撃が両家族にのしかかります▼揺れ動く息子たち、葛藤する父や兄。しかし母親は、ふたりの息子を受け入れ、深い愛情を示していきます。隔たりの大きさに直面した息子が、軽々と国境をこえる「ジェームズ・ボンドになりたい」と、つぶやく場面が胸に迫ります▼先日、日本ユニセフ協会が国際平和デーを記念し、この映画の上映会を開きました。招かれたパレスチナ、イスラエルの両大使は感激の面持ちで抱擁。「私たちはいまこうして並んで立っている。ひとつの土地に、ふたつの国家、国民が共存することは可能」▼紛争の終結はいまだ見えません。イスラエルが建設する「バリア(分離壁)」は両民族の地と心を分け隔てています。しかしフランス人の女性監督は、母性と、相手を理解する人間の力に希望を託します。平和の障害は人間がつくったもの。だからこそ、解決できない紛争はない、と。


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