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2013年10月4日(金)

消費税 首相判断「支持したい」「評価したい」

大手紙 増税を支援

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 安倍晋三首相が消費税率引き上げを正式表明したことを受けて、増税を一貫して後押ししてきた大手メディアは2日、いっせいに増税支援の社説を掲載しました。来年4月の増税実施には多くの国民がなお反対、慎重姿勢を表明しているにもかかわらず、“増税先にありき”の姿勢を崩さない異様な論調です。


 来年4月からの増税実施を積極評価したのが「産経」「日経」「毎日」の各紙です。

 「ぶれずに法律通りに増税の実施を決断した安倍首相の姿勢を支持したい」(「産経」)、「17年ぶりの消費税増税を実行し、財政再建の一歩を踏み出すことを評価したい」(「日経」)、「首相の判断は妥当と言える」(「毎日」)と礼賛しています。

 「読売」「朝日」も多少トーンが違うものの、「首相が自らの責任で重い決断をした以上、これを受け止めるしかあるまい」(「読売」)、「それでも、消費増税はやむをえないと考える」(「朝日」)と支持しています。

 増税とセットで打ち出された大企業減税への評価も異常です。

 とくに“被災地置き去り”との批判が強い復興特別法人税の前倒し廃止について、「産経」は「日本経済に活力を与えることを目指すものだ」と首相を全面擁護。法人税実効税率引き下げについても、「主要国よりも高い実効税率の引き下げに踏み込む必要がある」(「日経」)、「首相の主導で実効税率引き下げに道筋をつけた意味は大きい」(「読売」)とあおっています。

 「経済対策」に対し“公共事業ばらまき”“企業優遇偏重”との批判が続出していることについては、「賃金や雇用、投資を増やした企業の税負担を軽くする手立てに集中すべきではないか」(「朝日」)、「公共事業のばらまきなどに走るのは、国民の痛みにつけこむもので、何のための増税かわからない」(「毎日」)と、くぎを刺す程度の論調しか見られません。

 国民の声を無視し、横並びの社説を掲げる大手メディアの姿勢が問われます。

財界・建設業界に還流

地方紙は批判も

 一方、地方紙では、消費税増税への疑問や批判を強く押し出す社説が多く見られます。

 北海道新聞は「首相が言う賃上げ策も、確たる保証はない。デフレ脱却も福祉の充実も果たせず、財政再建にもつながらない増税なら認められない」と主張。西日本新聞は「消費増税に対する『国民の理解』は深まったか。安倍政権はあれこれ演出してきたが、うまくいったとは言いがたい。増税反対はなお強い」と論じています。

 沖縄タイムスは「経済を成長軌道に乗せることができるかどうか大きなリスクを抱えた政治判断」と首相の判断に疑問を投げかけかました。

 「経済対策」も大きな批判の的です。

 岩手日報は「復興特別法人税を2013年度限りで廃止する予定だが、なぜ企業だけなのか。個人増税は残り、著しくバランスを欠く」と指摘しています。「あまりに企業優遇に走りすぎてはいないか」と懸念を示す信濃毎日新聞は、「復興財源になる復興特別法人税を廃止するなど論外だ」と断罪しています。

 中日新聞は、「国民から吸い上げた消費税を原資に、財界や建設業界といった自民党支持基盤に還流されたり、減税に充てられる構図」と強調。「このままでは社会保障の充実も財政再建もかなわないまま、消費税率だけが上がっていくことになりかねない」と批判しました。


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