2013年10月4日(金)
ガイドライン 再改定へ
2プラス2 日米軍事協力 全領域で
オスプレイ本土訓練増加
日米両政府は3日、東京都内で外務・軍事担当閣僚による安全保障協議委員会(2プラス2)を開催し、米軍と自衛隊の協力のあり方や役割分担を定めた軍事協力の指針(ガイドライン)の再改定に向けた作業を正式に開始し、2014年末までに終了することで合意しました。2プラス2開催は11年以来2年ぶりで、担当4閣僚出席による日本での開催は今回が初めて。
ガイドライン改定は、日米安保体制の変質と自衛隊の役割拡大の大きな転機となってきました。
共同文書は、改定の目的に「日米同盟のグローバルな性質を反映させる」として、テロ対策や海賊対策、平和維持活動(PKO)など自衛隊の海外での活動で「協力範囲を拡大する」と明記。宇宙やサイバー空間も含め、あらゆる領域で日米軍事協力を進める方針を示しました。
会談で日本側は、安倍晋三首相が前のめりの姿勢を示す集団的自衛権行使などについて説明。共同文書で米国はこうした安倍政権の取り組みや軍事強化政策を「歓迎する」と表明しました。「情報保全の法的枠組みの構築」についても「歓迎する」として、日本の秘密保護法整備を合意しています。
辺野古へ画策
また、米軍普天間基地(沖縄県宜野湾市)に配備中の垂直離着陸機MV22オスプレイの本土での訓練拡大で合意。共同文書は「沖縄での訓練時間を削減」としましたが、ヘーゲル米国防長官は記者会見で「半分以上の飛行は(現状でも)沖縄県外だ」と述べ、大幅に訓練時間が減るわけではないことを示唆しました。
米軍再編では、グアムや北マリアナ諸島の共同訓練場(南アンダーセン訓練場など)整備に日本側資金約5億ドル(約455億円)を新たに投入できるようグアム協定を改定。沖縄では辺野古への新基地建設を「唯一の解決策」として再確認したことに加え、下地島(沖縄県宮古島市)などを念頭に置いた南西諸島の施設共同使用など、新たな基地強化(=負担増)も確認しています。
日米2プラス2合意内容(骨子)
◎日本側が集団的自衛権の行使検討を表明
◎ガイドラインを2014年末までに改定
◎南西諸島での施設共同使用
◎オスプレイ訓練の本土移転推進
◎サイバー協力で日米が署名
◎グアム協定を改定し、訓練場建設で日本が費用負担
◎米軍F35戦闘機・無人機グローバルホークの日本配備に合意
日米軍事協力の指針(ガイドライン) さまざまな事態での日米の軍事的な役割分担を明記した文書で、1978年に最初の指針を策定。97年の改定で、「周辺事態」という地理的に限定がない事態にまで自衛隊が協力する範囲拡大を行い、さらに、民間空港・港湾や自治体を軍事動員する「周辺事態法」(99年)などで、米国の軍事作戦に自動参戦する仕組みをつくってきました。