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2013年10月3日(木)

きょうの潮流

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 目前に迫った電車。遮断機のけたたましい警報音。わが身の危険をかえりみず、そのなかを、人助けのために踏切に飛び込んだ女性が亡くなりました▼JR横浜線の踏切待ちをしていた村田奈津恵さんは、線路にうずくまる高齢の男性を目撃。「ダメだ」という父親の制止をふりきって車を飛び出し、遮断機をくぐり男性に駆け寄りました。自身は電車にはねられましたが、ひとつの命を救い出しました▼父親によると、ふだんから奈津恵さんは他人の面倒をよくみていたといいます。やさしさと勇気。困っている人を見過ごすことができない無私の行為。彼女の行動を、無謀と流しては、献身の言葉もこの世から消えゆくだけではないか▼同じことが、くり返されています。昨年もJR高崎線の踏切内で、高齢の男性を助けようとした女性が電車にひかれ、ふたつの命が失われました。事故や原因は、一様ではありません。しかし人助けを美談で終わらせないために、とれる対策はあるはずです▼国土交通省のまとめでは、過去5年間に発生した踏切事故は約1600件に上ります。そのうち、死亡者は599人にも。とくに高齢者の事故が多く、日常的な危険と隣り合わせの現状が浮かんできます▼以前、ホームから転落した人を救おうと2人が飛び降り、全員が亡くなる痛ましい事故がありました。その後、非常停止ボタンの整備や逃げ込み場の設置などが施されました。人助けの代償。それを、何よりも命を大切にする社会につなげなければ。


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