2013年10月3日(木)
消費税8% 列島に怒り
安倍晋三首相が表明した消費税8%の「決断」。「生活がますます厳しくなる」「給料上がるとは思えない」―。被災地や東京・新宿の街頭、同・江東区の商店街で声を聞きました。
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青年たち 職のない人多いのに
新宿駅西口
増税反対の宣伝が行われた新宿駅西口。訴えに耳を傾けていた女性(30)=コールセンター勤務=は、「給料が上がればいいけど、そうじゃないから増税はいや」。安倍首相は消費税は上げる一方、法人税を下げようとしていると話すと驚いた様子。女性は「私たちからは取って、会社は減らすってこと? ナ・ゾ」「職につけない人がたくさんいるのに『企業のために』というのはわかりません」と言います。
友人と待ち合わせ中の女性(22)=千葉県=も、「企業の税金を下げても、私たちのところに恩恵がくるのはいつになるんだ、という感じ」と語ります。「消費税を上げられたら生活がますます厳しくなる。わたしの周りもみんな反対してますよ」
会社員の男性(29)=神奈川県=は、「安倍首相は経済指標がよくなっているといいますが、いま消費税増税しても景気は良くならないと思います」ときっぱり。「わざわざ5兆円の経済対策をするのなら増税しなくていいじゃないですか」とあきれた様子です。
「取られる税金ばかり増えてこの先日本はどうなるんだろう」と不安そうに話すのはスーパーの鮮魚店で働く男性(28)。「ずっと給料は上がりませんし、ボーナスが出るかもわかりません。低所得者は負担が大きすぎる」と訴えます。「今やるべきことは増税ではなく、震災復興と若者への将来的な対策だと思います」
被災地 私たちには何もない
宮城・石巻
宮城県石巻市の仮設開成団地。木陰で集まっていた住民に声をかけると、増税は反対だと生活の苦しさを口々に語りました。
宮城県は被災者の医療費免除を3月末で打ち切りました。年金生活の人たちは、「年金は下げて、上げるのは医療費に物価に消費税。血圧も上がるべ。年よりは死ねってか」と異口同音に強い口調で話します。
「テレビでは『今買えば○○が得』とか言っているけど、買いたくても買えないよ」と話すのは76歳の女性。
「お金のある人から取ればいい。下の人から取るようなことはダメだ」と言う81歳の男性は、市内南浜町の自宅など「すべて流されて身一つ」になりました。70歳の女性も安倍首相に対し、「何も無くなってみろ。私は無くなった。残ったのは命だけなのに」と憤りました。
敷地の草とり作業をしていた男性(25)は「消費税上げられるのはつらいですが、復興に必要なら仕方ないかなとも思う」と複雑な面持ちです。しかし「景気が良くなるという話は信用していない」と。