2013年10月2日(水)
福島第1原発、汚染水4トンあふれる
別のタンクに誤って移送
東京電力福島第1原発(福島県大熊町、双葉町)では1日、人為的なミスによるトラブルが相次ぎました。東電のずさんな管理体制が、いまだ改善されていない状況を示しています。
東電は、同原発1号機南西側で汚染水タンクを囲んでいる堰(せき)内にたまっていた放射性物質を含む水をタンクへ移送していたところ、午前11時50分ごろにタンク上部にあるマンホールから水があふれているのを発見したと発表しました。発見の約20分後に移送を停止しました。あふれた水は推定約4トンで、周囲の地面に染み込んだとしています。
堰内にたまっていた水は約600トン。1リットル当たり160ベクレルの全ベータ(ストロンチウム90などベータ線を出す放射性物質)を含んでいました。
東電によると、堰内の水を北西のタンクへ移送しようとしてホースをつなぎましたが、ホースの接続が途中で西側にある別のタンクに変更されており、そちらへ水が流れてあふれたといいます。
一方、東電は同日、1〜3号機の水素爆発を防ぐために原子炉内に窒素を注入する装置で、作業員が誤って停止ボタンを押したため、稼働していた2系統のうち1系統が停止したと発表しました。約3時間後に装置を再起動しました。東電は、残りの1系統のみで必要な窒素量は確保できると説明しています。
同原発では9月27日にも、東電のずさんな管理によって、汚染水の放射性物質を低減するための「多核種除去設備」(アルプス)の試運転開始直後に汚染水処理を停止するトラブルが発生。30日に処理を再開したばかり。