2013年10月1日(火)
しんぶん赤旗主催 第44期将棋新人王戦
昨年の雪辱か奨励会初Vか
決勝三番勝負 3日開幕
藤森哲也四段(26)と都成竜馬三段(23)の対決となった、第44期将棋新人王戦(しんぶん赤旗主催)決勝三番勝負は3日(木)、大阪市福島区の関西将棋会館で開幕します。藤森四段が2年連続決勝進出のチャンスをものにするか、都成三段がプロ棋士の卵・奨励会員としてプロ棋戦史上初の優勝を果たすか―決勝の行方に目が離せません。
藤森四段は、前期の決勝三番勝負、1―2で苦杯をなめました。2度目のチャンスをつかみたいところです。
居飛車党で攻めに定評があります。今期はシードで2回戦から登場。石井健太郎三段、吉田正和五段、金井恒太五段、斎藤慎太郎五段を破って決勝に駒を進めました。
今期はこれまで7勝8敗、通算成績31勝30敗です。
関西奨励会所属の都成三段は新人王戦4回目の参戦で初の決勝進出です。奨励会員の決勝進出は第23期の石飛英二三段、第39期の星野良生三段につづいて、3人目です(いずれも準優勝)。
今期は村田顕弘五段、澤田真吾五段、八代弥四段らプロ棋士を連破、準決勝では第41期新人王の阿部健治郎五段をくだしました。
四段と三段による若手棋戦、第3期加古川青流戦でも、佐々木勇気四段に準決勝で敗れたものの、ベスト4入りを果たしています。
第53回リーグ戦(今年4月〜9月)は9勝9敗、五分の成績でした。
両者は公式戦初対局ですが、三段リーグ戦では4回の対局があり、2勝2敗とがっぷり四つに組んでいます。
勢いに乗りたい 藤森哲也四段
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2回戦の石井健太郎三段との対局は、私が王手をかけたときに相手の合駒によって勝敗が分かれる、きわどい将棋でした。これを勝つことができて勢いに乗ることができました。
2年連続で決勝に進出できるとは思っていなかったのでうれしいです。
都成三段は振り飛車なら何でも指すタイプで、決勝は序盤からどういう将棋になるかわかりません。面白い将棋になると思います。
1年前はあと一歩のところまで迫っての準優勝でした。もちろん優勝をめざします。準優勝者として恥ずかしくないたたかいをしたいと思います。
ふじもり・てつや 1987年5月9日生まれ。東京都出身。塚田泰明九段門下。2011年10月四段昇段プロデビュー。12年、第43期新人王戦準優勝。
壁破るチャンス 都成竜馬三段
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三段リーグ戦が振るわなかっただけに決勝進出はうれしいです。
加古川青流戦もベスト4入りしましたが、ベスト4で終わるのか、決勝まで進むのかでは雲泥の差です。番勝負の大舞台をたたかうことは壁をぶち破るチャンスであり、ベストを尽くしたい。
藤森四段とは三段リーグで4回の対戦があります。豪快でパワフル。玉を固めてから勢いよく攻めるというイメージです。
三番勝負は棋譜の残る将棋で、注目もされます。ぶざまな将棋にだけはしたくない。そのうえで結果がついてきたら、と考えています。
となり・りゅうま 1990年1月17日生まれ。宮崎県出身。谷川浩司九段門下。2000年9月奨励会入会、第42回三段リーグ戦(07年10月〜08年3月)から三段。
見どころは
観戦記者が見る
決勝第1局の観戦記者、池田将之さんに三番勝負の展望を寄せてもらいました。
今期の決勝三番勝負は東西対決となった。
藤森は2年連続の決勝進出。前期はフルセットでの惜敗だった。悔しさをバネに、再び大舞台に帰ってきた。
都成は関西所属の奨励会三段。5連勝で初の決勝進出を決めた。特に、準決勝で元新人王の阿部健治郎五段を破ったのは圧巻だった。
両者は公式戦での対戦はまだないが、三段リーグ時代に4度対戦しており2勝2敗と拮抗(きっこう)している。
長年にわたり奨励会幹事を務めた畠山鎮七段は「客観的に見れば、決勝の舞台を経験している藤森さんがやや有利です。しかし都成三段は三段リーグにいるのが不思議なほどの実力者。とにかく、伸び伸び指してほしい。都成三段の後手番作戦には注目です」と見どころを語った。
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日程
第1局 10月3日(木)午前10時〜 大阪・関西将棋会館 立会人 山崎隆之八段
第2局 10月9日(水)午前10時〜 東京・将棋会館 立会人 松尾歩七段
第3局 10月22日(火)午前10時〜 東京・将棋会館 立会人 行方尚史八段