2013年9月30日(月)
堺市長選・竹山氏が当選
市民共同で画期的勝利
維新の野望に党派超え連携
29日投票の堺市長選で、堺市民が「大阪都」構想に敢然と異を唱える現職の竹山修身氏を大差で当選させたことは、市民の暮らしと自治を守り抜き、橋下徹大阪市長が率いる「維新の会」の野望を打ち砕く画期的な意義をもつ勝利です。
(藤原直)
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6月の東京都議選で惨敗し、7月の参院選でも昨年の総選挙から得票数を半減させた「維新の会」は、地元・大阪の堺市長選での勝利で看板政策の「大阪都」構想を前に進め、起死回生をはかろうともくろんできました。
「負けたら『橋下は終わった』と言われる」(「産経」13日付)「今回が本当の大いくさ」―。橋下氏はこう叫び、党を挙げての総力戦を展開しました。
その維新を、「堺はひとつ」「堺をなくすな」の大義のもとに立ちあがった、党派を超えた市民の共同が打ち破ったのです。この結果は「都」構想と維新への決定的な審判にほかなりません。
「都」構想は、大阪市や堺市を廃止して複数の特別区に分割し、多くの権限と財源を大阪府(「都」)に吸い上げるものです。
それが「百害あって一利なし」(竹山氏)であることは、もはや橋下氏の大阪市政でも裏付けられています。日本共産党も加わる「住みよい堺市をつくる会」は、大阪市では国保料の値上げ、コミュニティーバスの全廃、病院の廃止などの暮らし破壊が「大阪都」づくりを口実に次々と行われてきたことを告発しました。
堺市では竹山市長が市民の声を取り入れ、無駄な大型開発の中止、国保料の引き下げ、「おでかけ応援バス」の改善、子ども医療費助成の先駆的拡充などを行い、さらに下水道料金の引き下げなどに取り組もうとしていることと対比し、「違いはクッキリ」と訴えました。
「読売」調査でも「都」構想への堺市参加に否定的な回答は、告示前の6割からわずか2週間で7割に急増しています。
もともと「都」構想という幻想でいかに有権者をひっかけるかという視点しかなかった橋下氏は、当初“竹山氏は共産党がついているからダメ”との攻撃を繰り返しました。
しかし、「市民が一体となって堺を守るのは当たり前」との市民の批判の前に通用しなくなりました。
竹山氏側では、各地でさまざまなグループが連携をとりながら宣伝を行うなど共同が広がり、告示後は、自民党国会議員からも「オール市民の会」としての共同を呼びかける声があがりました。
市議会会派「ソレイユ堺」の山口典子市議は、市民共同の広がりを、政党の枠を超えた「新しい市民運動の幕開けだ」と述べました。住民の声にもとづき一致する課題での共同で政治を動かすという点でも新たな地平を切り開きました。