2013年9月29日(日)
核軍縮に関するハイレベル会合
抑止力論に厳しい批判
具体的行動を決意
【ニューヨーク=島田峰隆】国連総会が26日に開いた核軍縮に関するハイレベル会合では、多くの国が核抑止力論を厳しく批判、核兵器禁止条約の交渉開始など「核兵器のない世界」の実現に向けた具体的な行動への決意を表明しました。
アッシュ国連総会議長は、国連総会の第1号決議が核兵器の廃絶を求める決議だったことを強調。「壊滅的な被害をもたらす兵器がある世界は安全ではないし、万人にとっての平和と安全を達成するうえでも役に立たない」と述べました。
オーストリアのフィッシャー大統領は、核抑止力論について「お互いの破壊を確約することに国際関係の基盤を置くことは責任ある態度ではないし持続可能でもない」と批判。「核兵器のない世界という共通の目標に焦点を当てたいっそうの努力が必要だ」と訴えました。
ナイジェリアのオンウリリ外相は「核兵器は安全保障にならない。逆に恐怖を募らせ、相互不信に陥らせる」と述べ、核兵器を包括的に禁止する条約の作成へ交渉を始めることを呼び掛けました。
アフリカ諸国を代表して発言したエリトリアのオスマン外相は、アフリカをはじめ南太平洋、東南アジアなどに広がった非核地帯を世界全体での核兵器廃絶に結び付ける必要を訴えました。特に中東非核地帯の実現への支持を表明しました。
中南米カリブ海諸国共同体(CELAC)議長国キューバのロドリゲス外相は「核兵器の使用を防ぐ唯一の保障はその完全廃絶だ」と強調。核兵器禁止条約の交渉開始、非核地帯の拡大を提案し、メキシコで来年開かれる「核兵器による人道的影響」国際会議への参加を呼び掛けました。