2013年9月27日(金)
橋下代表 「住民投票」の詭弁
最終盤に突入した堺市長選(29日投票)で、「大阪都」構想への批判の高まりにあせる「維新の会」の橋下徹代表が、「『ワン大阪』『ひとつの大阪』は最後、住民投票で決める」「住民投票があるということは、堺市民にマイナスになるようなことはできないんです」(25日の演説)と連呼しています。「堺がなくなる」という批判に反論不能に陥ったすえに持ち出した詭弁(きべん)です。
だいいち、「大阪都」をつくるための「特別区設置法」では、「住民投票」を必ずやるとは定められていません。堺市がまるごと一つの区として「大阪都」に加わる場合、「住民投票」は不要です。必要なのは、堺市を複数の特別区に分割するときです。
さらにいえば、特別区に分割する場合におこなう「住民投票」も、橋下氏が想定しているのは「都」構想ではなく、「区割り」の是非を問うことです。
橋下氏はかつて、大阪府知事・大阪市長選で「(都構想の)方向性については賛意を得られている」「住民投票での否定っていうのは区割り問題。組み合わせをいろんなものを出して過半数取れるまでやり続けますよ」(2012年8月30日の会見)と発言しています。
堺市長選でも「維新」候補が勝てば“われ民意を得たり”とばかりに、同じことを言い出しかねません。
本当にやるのか、何を問うのかさえわからない幻の「住民投票」を持ち出し、実態のない「都」構想を売り込むこと自体、市民とまともに向き合っているとはいえません。 (吾)