2013年9月20日(金)
第8回中央委員会総会
志位委員長の結語
志位和夫委員長が18日、第8回中央委員会総会でおこなった結語は次のとおりです。
幹部会を代表して討論の結語をおこないます。
党大会にむけて、党勢拡大の高揚をつくりだそうという決意がみなぎる総会に
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この総会では、23人の同志が発言しました。党内通信で、リアルタイムで報告を視聴した同志は9558人です。全国から768通の感想文が寄せられております。
討論でも、全国からの感想でも、「決議案」と「党大会成功・党勢拡大大運動」の提起がきわめて積極的に受けとめられました。とくに全国からの感想で多く寄せられている声として、「決議案」が、「今回の躍進は、私たちの実力以上の結果であるということを、リアルに直視する必要がある」とズバリとのべたことに対して、衝撃的に、かつ前向きに受けとめられているのが特徴であります。“たしかに実力以上の結果だ。そうであるならば実力をつけようじゃないか”という機運が広がっていることは、たいへんに重要であります。
今回の中央委員会総会は、党大会にむけて党勢拡大の高揚をつくりだそうという決意がみなぎる総会として、重要な成果をおさめたことが確認できると思います。
(ここで志位氏は、中央委員会総会で出された決議案の修正意見と、それを取り入れた決議案の補正案について報告しました)
党大会成功とのかかわりで「大運動」の意義をしっかり位置づけて奮闘しよう
結語では、3点についてのべておきたいと思います。
第一は、「第26回党大会成功・党勢拡大大運動」の政治的意義についてです。
「決議案」では、「大運動」の政治的意義について、三つの角度から強調しました。第一は、国民の期待にこたえる運動であること、第二は、“第3の躍進”を本格的な流れにする保障であること、第三は、「成長・発展目標」実現へ日常不断の党勢拡大の気風を全党に定着させる運動であること――この三つの角度から政治的意義を強調しました。
私は「決議案」が、この「大運動」を「第26回党大会成功」と位置づけていることについて補足的にのべておきたいと思います。
2010年の第25回党大会では、綱領実現――民主連合政府樹立を展望し、「2010年代を党躍進の歴史的時期」とする、そのために全党が「成長・発展目標」をもち、その実現をめざして系統的な取り組みをすすめるという大目標を提起しました。それから4年間のたたかいを振り返ってみてどうか。
国政選挙でいいますと、2010年の参議院選挙で、日本共産党は比例で356万票(6・10%)まで後退するというきびしい結果に直面しました。さらに、2012年の総選挙も、369万票(6・13%)、9議席から8議席への後退という結果でありました。そういう2回にわたってのきびしい結果に直面したわけですが、私たちはそれぞれの選挙から、2中総(2010年9月)と6中総(2013年2月)で冷静に教訓を引き出し、2013年の参議院選挙で515万票(9・68%)への躍進をかちとり、「成長・発展目標」への接近の第一歩を踏み出しました。私たちは、国政選挙では、躍進の波をつくりだしながら、党大会を迎えることができるわけであります。
それでは党の自力という点ではどうか。4年間を振り返ってみますと、党の自力という点でも、「決議案」がのべているように、この党大会期に、これまでにない積極的な取り組みがおこなわれました。「党創立90周年をめざす党勢拡大大運動」、「綱領・古典の連続教室」など、画期的な活動にも取り組みました。しかし、この分野は、党員でも、「しんぶん赤旗」読者でも、なお後退傾向が克服できておりません。「成長・発展目標」を支える党づくりという点では、この4年間をみても、まだ私たちの取り組みは成功しているとはいえないというのが現状なのです。
党大会の成功ということを考えたときに、党大会にむけた「大運動」を通じて、この弱点を突破し、党勢拡大を安定的な前進・高揚の軌道に乗せることは、まさに党大会成功の不可欠の条件となっていることを、強調したいと思います。
国政選挙では躍進の第一歩を踏み出しました。このこととあわせて、党勢拡大でも新たな高揚をつくりだして党大会を迎えるならば、きたるべき大会が、「第3の躍進」を本格的な流れにする党の新しい発展方向を豊かに打ち出すことができる歴史的大会になることはまちがいありません。党大会成功をめざす運動として、この「大運動」をしっかり位置づけて、のぞもうではないかということを強調したいのであります。
第25回党大会で選出された中央委員会の責任を立派に果たそう
第26回党大会を成功させることは、第25回党大会で選出されたこの中央委員会の重大な責任です。最大の責任の一つであるといってもいいと思います。
この中央委員会のこれまでの決定と活動を振り返ってみますと、さきほど2中総と6中総にもふれましたが、これらの中央委員会総会では、国政選挙のきびしい結果を踏まえて、突っ込んだ徹底的な総括をおこない、綱領という科学的指針にそくして前途を明らかにし、新たな前進の道を指し示してきました。大きな試練にさらされながら、さまざまな苦闘と探究に取り組んできたのが、この中央委員会だと思います。第25回党大会で選出された中央委員会の最後の大仕事として、「大運動」を必ず成功させ、党大会を成功に導くことは、われわれの共通の責任だということを肝に銘じてがんばりたい。みなさん。この重大な責任を立派に果たそうではありませんか。
「大運動」を成功させる客観的・主体的条件はおおいにある
第二に、強調したいのは、「大運動」を成功させる客観的・主体的条件はおおいにある、このことが討論を通じても豊かに浮き彫りになったということです。
客観的条件という点では、党の躍進が有権者に大きな衝撃をあたえ、党と国民との関係が劇的に変化していることがこもごも語られました。大企業の職場で、反共の壁が崩れ、日本共産党への新たな期待が広がっていることが、報告されました。自発的に入党を申し込む人が全国各地で生まれている経験も報告されました。何十年も入党をためらっていた人が選挙結果をみて入党に踏みきった経験も語られました。有権者や支持者の思いは「選挙で勝った」ということで満足していない、党への信頼をさらに強め、「さらに前にすすんでほしい」ということを望んでいるという発言も出されました。客観的条件という点では、こんなに広大なチャンスが広がっている時はないということを強調したいと思います。
同時に、主体的条件も大きく変化していることが討論で語られました。これまで「入党対象者などいない」と言っていた支部が、選挙の躍進を通じて変化し、創立記念講演DVDをみて議論をすると、10人、15人と対象者の名前が次々と出てきたという報告もありました。「マイ名簿」を活用した選挙戦に取り組んだことで、支部の活動が豊かに広がっているということも報告されました。
討論のなかで、「国民も変化している。支部も変化している。あと変化しないといけないのは、党の指導部だけだ」という発言もありました。ある同志からは、「国民の変化に接して、まだまだ自分が壁をつくっていると感じさせられた。党を大きくするためには、私たちが変わらなければならない」という、率直な発言も出されました。これらの発言はきわめて重要だと思います。指導的立場にある同志が、情勢の変化、国民の変化、党内に生まれている変化にふさわしい自己変革、自己改革をはかり、積極果敢な取り組みの先頭に立とうではありませんか。
「大運動」成功の条件という点にかかわって、「決議案」では、前回の「大運動」――「党創立90周年をめざす党員拡大を中心とした党勢拡大大運動」の積極的教訓を生かそうとのべていますが、同時に、前回の「大運動」との条件の違いもよくとらえることが大切であります。
前回の「大運動」というのは、2010年参議院選挙で党が後退し、強い逆風が吹いているもとでの取り組みでした。今回は、党躍進をうけて、情勢に前向きの大激変がおきているもとでの取り組みであります。
ですから、前回の「大運動」の取り組みの教訓を全面的に生かすことは大事ですが、「あの時は1年以上もかかって2万人の党員を増やした。それを4カ月半でやるのはたいへんだ」などと考えないで、情勢がまったく違うもとでの新しい運動に挑戦するという構えが大切であります。そこには前回の「大運動」と比較して、はるかに広大な条件が存在する、それをくみつくした運動にしていこうと、おおいに新鮮な気持ちでがんばりたい。
短期間の取り組みですが、前回の「大運動」を上回る成果をあげる条件と可能性はおおいにある、ここに確信をもって奮闘しようではありませんか。
記念講演ダイジェストDVDと8中総決議を一体に徹底、具体化・実践に踏み出そう
第三は、8中総決議の徹底の問題についてであります。
これは、「大運動」の期間を考えても、スピードが肝心であります。
徹底にあたっては、党創立記念講演のダイジェストDVDと、8中総決議を一体に、徹底をはかりたいと思います。時間でいいましたら、ダイジェストDVDが36分、8中総決議の読み合わせとあわせても、1時間あまりで十分にできます。そのうえで、討議・具体化をはかる。ここまでを1回の支部会議で一気におこなう。そして、ただちに実践に踏み出す。実践に踏み出しながら、方針を豊かにしていく。そういう取り組みをおこなっていきたいと思います。
「支部が主役」で運動を発展させることが成功の最大のカギとなりますが、期間を考えても、方針の徹底のスピードが大事です。その速度が「大運動」の成否を決めます。全党への徹底と実践にただちにとりかかりましょう。
「大運動」を必ず成功させるために、中央役員のみなさんの奮闘をかさねて訴えて、結語といたします。ともにがんばりましょう。